本研究室では、中国哲学・中国思想に関する様々な内容を学ぶことができます。中でも、特に本研究室が力を入れて研究に取り組んでいるテーマが2つあります。
まず1つは「新出土文献」の研究です。新出土文献とは、近年、中国古代の貴族の墓や辺境の井戸などから出土した竹簡(細長い竹の札)や、帛書(絹に記された文献)などを指します。
その中には『論語』『老子』といった古典に関するものから、すでに失われてしまい、現在まで目にすることのできなかった文献まで、多種多様なものが含まれています。
これらの古文字で記された新出土文献を授業で取り上げて、最新の研究を推進しようと試みる大学は非常に珍しく、本研究室は日本における新出土文献研究の拠点ともなっています。
そして、もう1つの重要な研究テーマが「懐徳堂」です。懐徳堂とは、享保9年(1724)、有力商人の出資により大坂の地に創設された学問所で、大阪大学の源流の1つと位置づけられています。
懐徳堂は多くの知識人の交流の場としても機能し、儒教経典から文学、本草学、科学にいたるまで、多彩な研究がなされたことが知られています。
大阪大学附属図書館には、多くの中国古典籍と懐徳堂の学者にまつわる貴重な資料(約5万点)が収蔵されています。本研究室では、これらの資料の読解をとおして、当時の人々がどのように考え、行動していたかについての解明にも力を入れています。
なお、新出土文献と懐徳堂に関する詳細は、下記のURLをご覧ください。
新出土文献→・中国出土文献研究会HP
懐徳堂→・本HP内紹介
・懐徳堂研究会HP