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■ 中哲を志望する学生の皆さんへ 阪大中哲Q&A

 
       
 阪大中哲HP研究室案内→中哲を志望する学生の皆さんへ
        ●「研究室の実態」篇   ●「研究室訪問」篇   ●「院試」篇 
                        ●「外部履修」篇   ●本当にあった「トホホな質問」篇

このページは、井上 了元助手の個人的な見解です。中哲を志望する皆さんの一つの参考として頂ければ幸いです。       (最終更新日:2002.3.6.)

 
 
  「研究室の実態」篇
Q 中哲では、どんな勉強をするの?

中国の哲学を勉強します。

「中国の哲学」とは、原始儒教から老荘思想、朱子学に陽明学、中国仏教や道教、はては毛沢東思想まで、幅広い内容を含みます。

ただし、その時に在籍している教官や先輩によって、研究内容に偏りがあることもあります。

もちろん教官や院生は、すべての分野について最低限の知識は持っていますが、「その中でも特に諸子百家に強い」とか いうことはありますので、あらかじめ研究したいテーマが定まっている場合は、事前に教官まで相談に行くことをおすすめします。

具体的には、 を見れば、だいたいの傾向はつかめると思います。

Q 具体的に、どんな授業をするの?

演習のメインは、漢籍の読解です。教官が指示する漢籍について、書き下したり音読したり、出典を指摘して解釈したりします。

具体的には、シラバスを参照してみて下さい。

Q 老荘思想を楽しく学びたいのですが?

中哲の授業は、演習が主体で、いわゆる「講義」は多くありません。
 このため、たとえば「荘子の思想について」などの講義(教官が荘子の思想について熱く語る)などの講義は、全く行われないか、少なくとも、かなり少なく設定されています。

本研究室では、あまり「中国哲学史概説」や「諸子百家概論」などのような授業は開講されず、そのような基礎知識は、各学生が本を読むなり先輩から学ぶなりして身につけるのが当然とされています。

中哲の教官や先輩は、「老荘思想を楽しく学ぶ」お手伝いはできますが、義務教育のように手取り足取り教えたり、講義で老荘思想を概説したりはしません。

 

 

Q 「先輩から学ぶ」とは、どういうこと?

中哲研究室は、学生があまり多くありませんので、先輩や助手は可能な限り後輩の面倒を見るという風潮があります。

演習前の準備や、論文の執筆などの際に発生するであろう「この事はどうやって調べたら良いのか」「この事柄を調べるためには、どのような参考書があるのか」といった疑問に対して、先輩や助手は、可能な限り教えねばならない、というのが、中哲の伝統です。

ただし先輩は、

これについては、何に書いてありますか

何を使って調べればいいですか

などとゆー質問には答えますが、

この字は何と読みますか

これはどういう意味ですか

というダイレクトな質問には答えてくれません。そのような疑問を自力で調べられる、その調べ方を身につけることこそが勉強だと考えられているようです。単に答えを知りたいだけなら、辞書でも引いて下さい。

このような方法を尊ぶ風潮は「徒弟制度」と批判されることもありますが、「ものの調べ方」という、マニュアル化できないことを教える以上、やむを得ない方法であるとも考えます。少なくとも阪大中哲では、このようなやり方で教育の一部が行われていますので、先輩や助手にはどんどん質問して下さい。

あ、もちろん、あなたが先輩になった時には、「ひととおりのことは後輩に教えられる先輩」になっていなければなりませんので、質問できる立場である「後輩」のうちに、先輩の知識をなるべく吸収しておいたほうが良いでしょう。

 

Q 何を目的として勉強するの?
 

中哲では基本的に、学生には大学院に進学し、研究者となれるよう充分な能力を身につけてもらえるよう教育を行います。具体的には、漢籍を読解・研究し、また他人の書いた論文を読解・批判できる能力を身につけていただきます。

Q ということは、中哲に入ったら院まで行かないとダメ?

そんなことはありません。

以前はそのような風潮があったかも知れませんが、近年、学部のみで中哲を卒業し、一般企業に就職するケースも増えています。詳細はこちらの進路一覧を参照して下さい。

ただし中哲では、学生数・教官数ともに少ないため、「進学希望者向けの高度な演習」と「進学を希望しない学生向けの平易な演習」を分けて開講する余裕はありません。「大学院生むけの演習」と「学部生むけの演習」との区別すらされないことがあります。

このため、就職希望の学部生に対しても、一見難しいかと思われる「院生向けの演習」に参加していただく可能性があります。

Q なんとなく中国思想に興味があるのですが?

「興味がある」というのは、とても重要なことです。中国哲学を研究するうえで、まず第一に必要とされる要件だといっても過言ではありません。

もしも興味がなければ、小難しい漢文を読んだり、何時間もかけて予習をしたりは、できるはずもないでしょう。

しかしもちろん、興味だけで漢籍が読解できたり、興味だけで論文が書けたりするわけではありません。もし書いたとしても、それは趣味の作文であって、研究として通用する代物ではない。

我々は、「興味がある」方に、興味あることを調査・研究する能力を身につけていただくお手伝いを行います。研究に必要な資料調査能力などを身につけた上で、存分に「興味がある」ことを研究して下さい。

Q 配属後のタイムスケジュールは?

2回生から4回生まで演習などを履修してもらい、4回生で卒論を書いてもらいます。

経験から言わせてもらうと、3回生の半ばまでに卒論のテーマを決めないと、先行研究の調査や論文本体の執筆が間に合わないようです。

なお、院に進むことを希望される場合、研究・教育職への就職の可能性がありますので、教員免状も取得することが望ましいとされています。

Q 卒業論文って、何を書けばいいのですか?

義務教育ではないのですから、「何を書けばいいか」は誰も教えてくれません。自分で決めて下さい。

中国哲学に関係するテーマを何か自由に設定していただき、そのテーマについて、先行研究を参照し、また原典を読解しながら論じていただきます。

Q つまり卒論って、何を書いてもいいのですか?

いいえ。

レポートではないのですから、単なる調査・報告や、資料の引き写しなどでは困ります。

また言うまでもありませんが、主観だけの読書感想文も不可でしょう。

全く新しいテーマについて論じるなり、従来の学説・先行研究に何か新しい見解を付け加えたり、という要素がないと「論文」とは呼べません。

何について論じていたとしても、もしも既に同様の論文が発表されていたのでは、それがたとえ偶然の一致でも、論文とは認められません。先行研究の調査が不十分なまま論文を書いてしまったか、または盗作だということになります。(先行論文の調査方法は、先輩から学べます。イヤと言うほど。)

しかし、同様の論文が既に存在していたとしても、先行研究の問題点を指摘して新たな見解を付け加えたり、新たな視点で論を展開するなどしておれば、これは論文として認められるでしょう。

またたとえば「おいしいカレーの作り方」というテーマを設定し、従来の学説には見られない画期的な論文を著されても、テーマ自体が中国哲学と関係ないので、たぶん卒論としては認められません。

 
  ●「研究室訪問」篇
Q 志望研究室を決める前に、事前に「研究室に話を聞きに行く」ほうがいいですか?

はい。

これは外部から阪大の大学院への進学を希望する学生にも言えることですが、事前に教官の所へ話を聞きにも来ず、いきなり志望票や願書を出してくる学生が増えています。

学生さんにしても、事前に何も調べず、いきなり研究室を決めるというのは難しいと思いますので、ぜひ一回生のうちに、研究室をいくつか見て回って下さい

我々としても、事前に何も聞きに来ない志望者(何を判断基準にしてウチを志望しているのか判らない学生)というのは、ちょっと困ります。

Q 事前に「研究室に話を聞きに行く」のも気が引けるのですが?

ガイダンスなどでもしばしば言われていることですが、一回生は、各研究室について充分な情報が与えられていません。一回生の間にたったの一回、数分間だけ聞かされる説明で、自分が希望する専攻を決められる人は少ないでしょう。

このため、何も知らずに専攻を決めて、配属されてから「思っていたのと違った」などの理由で転科する学生が後を絶ちません。これは学生本人にとっても不幸なこと(留年につながりかねないこと)ですし、我々研究室にとっても不幸なことです。

「なんとなく中国に興味があるけど、東洋史に行こうか中文に行こうか中哲に行こうか迷っている」「仏教に興味があるが、中哲に行こうか印哲に行こうか迷っている」というようなケースは充分考えられます。

このような場合、友達に相談したり親兄弟に相談するよりは、とっとと研究室に行って、学生なり先生なりに話を聞いたり、その研究室で素直に「こういうことに興味があるんですけど、どこの研究室に行ったらいいでしょうか」と聞くほうが参考となるでしょう(もしあなたが友人に「中哲と中文と、どっちがいいと思う?」と相談したとしても、その友人は、たぶんあなた以上には各研究室の事情に詳しくはないと思います)。

どうせ配属されたら研究室に行くのですから、その半年前に研究室に行って、いろんな情報をもらって比較対照するほうが、「不幸な選択」をしてしまう危険が減って良いのではないでしょうか。

Q ひとりで研究室に行くのは恐いんですけど………?

たしかに文学部の4階あたりは薄暗くて恐い雰囲気があるようです。

 文学部の先生というのも、気難しくて偏屈な恐いイメージがあるかも知れません。

しかし、事前に何も話を聞きに来ずに、いきなり研究室を志望してくるような学生に対しては、2回生の4月以降、もっと気難しくなるかも知れません。

学生が多すぎて困っている研究室でもない限り、教官や先輩にとっては、1回生なり他大学の学部生なりが自分の研究室を志望する(検討対象に入れる)というのは喜ばしいことです。ですから、よほど忙しいときに訪問しない限り、怒られることはありません。

Q 具体的には、どうやって研究室を訪問すればいいんですか?

いきなり研究室に行くと、怒られることはありませんが、たまたま忙しい時で邪険にされたり、何かの用事で先生が不在だったりする可能性もあります。(ただし、助手室や研究室ではなく、いきなり教授室に行ってしまい、「助手を通してから来い!」と怒られたとゆーケースはあります。誰なのかは言わない。)

電話か何かであらかじめ在室の確認くらいはしておいたほうが良いでしょう。(てゆうか、他人の仕事場を尋ねる時に予告も予約もしない、ってのもどうかと思いますが)

訪問したい研究室の助手(教授ではなく)に電話して、「文学部1回生の○○と申します。研究室についてお話を伺いたいのですが、何曜日の何時頃でしたらご都合がよろしいでしょうか」とか尋ねれば、たいていの助手は時間をとってくれるでしょう。

 あと、いきなり研究室を訪問すると、もしその時に助手一人しか在室していなければ、その助手一人の話しか聞けません。しかし、あらかじめ予告しておくと、教授や学生なんかにも声をかけて、都合のあう面子を集めておいてくれるかも知れません。

Q 助手に電話って、どうすれば良いのですか?

阪大の代表番号(06-6850-6111)に電話して、交換手に「文学部の○○研究室をお願いします」と言うと繋いでくれます。間違えていきなり教授に繋がれても困るので、「○○研究室の助手をお願いします」のほうが確実かも知れません。(ただし、助手が配置されていない研究室もありますので、要注意。)

上記の代表番号は、阪大全ての代表番号ですので、「文学部の」という枕詞は必ず付けましょう。「中哲研究室をおねがいします」と言って「鋳鉄研究室」と間違えられ、工学部に繋がれてしまう可能性も、無しとはしません。

阪大文学部の、中哲以外の講座についてはこちらを参照。大学院の各講座についてはこちらを参照して下さい。

 
  ●「院試」篇
Q 他大学の学生ですが、阪大中哲の院に入れますか?

もちろん、試験に合格しさえすれば、他大学出身者でも、大学院生として入学できます。

実際、中哲の院生は、阪大出身者よりも他大学出身者が多いという傾向が、ここ数年ほど続いてきました。(2001年度は数年ぶりに逆転しましたが、2002年度にはまた元通りになりました。)

また、院生上がりの前助手も、他大学出身なうえに他専攻の出身だったりします。

他大学出身だからといって、差別的な待遇を受けることは全くありません。

ただし、理系の一部学部などとは異なり、文学部で院に進学するということは、人生の選択を深く狭くする行為です。(繰り返しますが、本コンテンツは、前助手の主観的な意見にすぎません。)

何のために進学するのか、修了後にどうするのか、ということは、よぉ〜く考えて下さい。

Q 他大学の学部生です。事前に研究室を訪問してお話をうかがいたいのですが。

事前に(願書提出前に)御連絡いただければ、可能な限り時間をとらせていただきます。

あとできれば、「なぜ進学するのか」「なぜ進学先が阪大中哲なのか」「進学してから何を研究したいのか」「現在なにを研究しているのか」などを述べられるよう、事前に整理しておいて頂ければ助かります。

 また、あなたが現在所属している大学の指導教官や、進学後の学資負担者と、よくよく相談しておいて下さい。

 

Q(以下、調整中。ソースを覗いたりはしないでね。)
 
 
  ●「外部履修」篇
Q 他研究室を希望し配属されましたが、中哲の授業を受けてもいいですか?

もちろん構いません。

教員免状などの関係上で中哲の単位が必要となることもあるでしょうし、また中哲の授業に興味を持っていただけるなら、我々としても嬉しいことです。他専攻の学生だからといってツラく当たるということも、我々はしていないつもりです。

ただし上記のように、中哲では学生数・教官数ともに少ないため、専門的な「高度な演習」と一般向けの「平易な演習」とを分けて開講したりはしません。

ただ単に単位を揃えるためだけなら、予習にそれなりの手間ひまを要する中哲の演習は、いわば「お買い得」ではないと思います。

Q 一般の社会人ですが、中哲の授業を受けてもいいですか?

可能です。

本学には科目等履修生研究生の制度がありますので、こちらをご確認下さい。

Q 他大学の学生ですが(以下同文)

………教務掛にお問い合わせ下さい。

大学によっては、本学との単位互換制度なども設けられているようですが、助手としては詳細は承知しておりません。

 
  ●本当にあった「トホホな質問」篇
Q 漢文は読めないといけませんか?

はい。

古典中国の哲学・思想は、一般的には漢文で書いてあります。このような資料によって中国の思想を研究するためには、当然、漢文を読解できなければなりません。

これはたとえば、『源氏物語』を研究するために古文が読めねばならず、ヘミングウェイを研究するために英語が読めねばならないのと同様、ごく当たり前のことだと思いますが、どうでしょうか。

まさか英文を志望するのに「英語が読めないといけませんか?」と聞く方はおられないと思いますが。

ただし中哲では、研究室配属後に漢文読解の訓練(演習)がみっちり行われますので、1回生のうちから「漢文が読めないから」と心配する必要は、あまり無いと思います。

Q 授業では、ノートはとらないといけませんか?

……ご自分で判断して下さい。

Q 「中哲を選べば、卒業しやすい」と聞いたのですが?

数年前には、そのような噂話が一部の1回生の間に流れたようですね。

もちろんウチでは、まじめに演習に参加してくる学生に対しては素直に単位を与えていると思いますし、また教官や先輩の指導をまじめに受けていれば、卒論を書けるレベルには達することができると思います。

現に、「中哲の単位を落として留年した」なんて話は、私の知る限り、聞いたこともありません。

しかし、そこを誤解して「中哲では、まともに授業に出てこなくても、適当に単位は出て卒業できる」などと思われるならば、それはウチの責任ではありません。

中哲へのお問い合わせは、こちらの質問フォームまたはこちらのメールアドレスからも行えます。

 

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