「国際現代文化研究ハブ」とは
国際現代文化研究ハブは、大阪大学21世紀COEプロジェクトインターフェイスの人文学「イメージとしての〈日本〉」班の研究成果として発足した研究交流拠点です。本ハブは、文化の研究にまつわるさまざまな知的実践を交差させていくことを主眼としています。大阪大学内の研究会と他の研究会をつなぐ「ハブ」としても機能していく予定です。
「横断するポピュラーカルチャー」研究班は、ハブと連携して活動を行っています。
※以下のイベントは終了いたしました。参加された皆さん、ありがとうございました。
2008年度第1回日本学方法論の会(担当 荻野美穂・川村邦光)
日時:2008年8月6日(水) 午後1:30〜5:00場所:文41(文法経講義棟・4F)
報告者:島薗進(東京大学)「慎重論の論拠を求めて」
荻野美穂(大阪大学)「代理出産の意味するもの」
コメンテータ:永岡崇(大阪大学大学院文学研究科大学院生)
趣旨:
島薗さんが集中講義で阪大に来られる機会を利用して、現在の先端科学技術をめぐる問題について考えるための研究会を開きたいと思います。
島薗さんは宗教学がご専門ですが、2001年から2004年まで、総合科学技術会議の生命倫理専門調査会のメンバーとしてヒト・クローン胚研究に関する議論に参加され、強引で非民主的なやり方で最終報告書がまとめられたこの調査会の中にあって、終始ヒト胚の取り扱いに対する慎重論を主張してこられました。その経緯については、ご著書『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社、2006年)に詳述されています。
この調査会で議論の対象となったヒトの受精卵を使ったクローンES細胞の研究をはじめ、近年の先端科学技術の進展ぶりはめざましく、「素人」であるわたしたちがこうした問題についてどのように考えれば良いのかと当惑している間に、次々と新たな事態が登場しては、既成事実化が進行しつつあるのが現状です。不妊の女性やカップルが体外受精という新しい技術を用い、他の女性の子宮や卵子を利用して子どもを得ようとする「代理出産」の広がりもその一例です。
今回の研究会では、島薗さんは宗教学の立場、荻野はフェミニズム・ジェンダー研究の立場から、こうした先端科学技術による生命や身体への介入・資源化についてどのように考えるか、異議申し立てを行うとすればその論拠はどのようなものか、といった視点でそれぞれ報告を行った後、参加者とともに自由に討論する場を設けたいと思います。
日本学の学生・院生だけでなく、こうした問題に関心をお持ちの方々が広く参加されることを歓迎します。
主催 大阪大学文学研究科日本学研究室
共催 国際現代文化研究ハブ
*本セミナーはcultures/critiques第36回研究会を兼ねています。
2008年7月18日(金)午後3時〜午後5時
場所 大阪大学大学院文学研究科・中庭会議室(文学研究科本館中庭)
講演者 佐藤健二氏(東京大学教授・歴史社会学)
講演テーマ「メディア論の視点──「絵はがき」と「新聞錦絵」を事例にして」
【講演概要】
写真等々を含む視覚資料を、社会学はいかに扱うことができるか。これまで論じてみた「絵はがき」と、データベースの作成において扱ってみた「新聞錦絵」を素材にして、歴史社会学が考えておかなければならない、メディア分析の論点について話題にしたい。
当日の様子
問い合せ先 大阪大学大学院文学研究科日本学研究室助教室 [真鍋昌賢 大阪大学内線5135](or 当サイト担当者 furukawaアットhus.osaka-u.ac.jpまで)
*研究会後、懇親会を開催する予定です。こちらもふるって御参加ください。
主催 国際現代文化研究ハブ
[文化/批評]編集委員会
共催 大阪大学文学研究科日本学研究室
協力 「コンフリクトの人文学」横断するポピュラーカルチャー班(大阪大学グローバ ルCOEプログラム)
講演テーマに関連する資料
佐藤健二『風景の生産・風景の解放』1994
「新聞錦絵と錦絵新聞」1999「ニュースという物語」1999など。