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阪大英文学会叢書とは?
大阪大学英米文学・英語学研究室の出身者・在籍者たちの論文を
納めた叢書であり、教員・学生・修了生の垣根を越えて編まれています。
叢書のそれぞれの巻には『病いと身体』『異界』『依存』などの
キーコンセプトがあり、そのコンセプトにもとづいた論文が掲載されて
います。いずれの巻も、英宝社のご協力の下で、出版させて
いただいています。(以下の出版情報は、英宝社のウェブサイトに
掲載の書誌情報を転載させていただいています)
また、現在は叢書第一期として5巻目までが刊行されていますが、
第二期も現在計画されています。
以下のタイトルをクリックして下さいますと、該当の巻数にジャンプできます。
第1巻 『病いと身体の英米文学』 玉井 暲, 仙葉 豊 共編
第2巻『英語のテンス・アスペクト・モダリティ』
成田義光/長谷川存古 共編
第1巻 『病いと身体の英米文学』
玉井 暲, 仙葉 豊 共編

今日、病いと身体をめぐる議論が活発であるのは、これらのテーマが、ともに、
ギリシア・ローマの 古典文学やイタリアの中世文学以来の重要な「トポス」
でありながら、このトポスとして持っている 慣習性を問題視し、その意味を
新鮮な観点から読み直そうとする動機にもとづいたものと考えられよう。 …
病いは、基本的には医学的な事実そのもの、肉体の病気でありながら、
その一方で、イメージ化され、 隠愉として用いられて、文学者のみならず
一般の人々の意識をも執拗に支配してきた。 …こうした次元での身体の
描写、さらには身体の持つ自然性への固執は、登場人物の造型や演技・
動作などの文学世界の構築に深く関わっており、その症例を数多く挙げるのは
難しくない。 …編者「まえがき」より
1.国家・身体・民族
亡命者たちとバラバラ死体−『オルノーコ』から『ロビンソン・クルーソー』へ−
(服部典之)
リリパットの国家身体−『ガリバー旅行記』における近代古代論争−
(武内正美)
有機休としての国家と女性の肉体−スコットの『ミドロジアンの心臓』−
(米本弘一)
アメリカのユダヤ人、その生と死−『ラヴェルスタイン』における病い、身体、
自己−
(片渕悦久)
「崇高」という病い−「享楽」の『コズモポリス』横断−
(渡辺克昭)
2.科学・身体・神経
『終わりよけれぱすべてよし』と精神的不調−『二人の貴公子』を照射して−
(三浦誉史加)
クラリッサの死因−メランコリーとショックと神経と−
(仙葉豊)
理性、汎神論、そして再発見される身体−ウィリアム・ワーズワス−
(小口ー郎)
観相学から骨相学へ−『フランケンシュタイン』における身体性−
(小川公代)
ヴァージニア・ウルフの病気のヴィジョン−セプティマスと戦争神経症−
(太田素子)
3.表象・身体・狂気
ヴィクトリア朝における女性の衣服と身体−コルセットをめぐって−
(西村美保)
リアム・オフラハティーの小説世界−存在の矛盾そして狂気−
(春木孝子)
現代詩に見る身体モチーフ−モダニズムからポストモダニズムヘ−
(白川計子)
研ぎ澄まされた聴覚−『しあわせな日々』におけるウィニーの腹話術的
声の身体−
(垣口由香)
難病の視覚的表象−戯曲、映画、テレビの中のジョゼフ・メリック−
(山田雄三)
あとがき
(仙葉豊)
1
テンス
・過去現在動詞の心理
(毛利可信)
・未来を表す英語表現−話者はどのように未来と係るのか−
(沖田知子)
・「語り」と過去時制
(堀田知子)
・定形節補文の二つの時問解釈とDouble A?ess Reading
(梅原大輔)
・英語補文時制の意味と形式の関係に関する一考察−複合・
グラウンディングの観点から−
(田村幸誠)
・英語の不定詞構文の時制について (坂口真理)
・時間概念のカテゴリー化 (西川盛雄)
2 アスペクト
・いわゆる「行為解説の進行形」の概念構造について
(長谷川存古)
・"HotNews"の完了形
(家木康宏)
・「ている」と現在完了のパズル−SRE理論の認知言語学的
再構築をめざして−
(濱本秀樹)
・知覚名詞とその補文について−視覚を表す名詞を中心に−
(甲斐雅之)
・英語前置詞に見られる空聞から時間へのメタファー
(竹鼻圭子)
・アスペクトの統語構造
(松本マスミ)
3 モダリテイ
法助動詞の論理的意味・心理的意味・対人関係的意味
(柏本吉章)
推理小説とモダリティ
(稲木昭子)
Happen to不定詞のモダリテイ
(田岡育恵)
あとがき
(長谷川存古)
英米文学の中の<異界>の万華鏡
<異界>への旅、<異界>の表象、<異界>とジャンル−。英米文学を
<異界>の視界から読み直せば、どんな世界が見えてくるのか。
そこに展開するのは、新しい文学風景の誕生か、伝統的文学のしなやかに
行き続ける姿なのか?
異界への旅−
・異界と帰還の詩学
(宮川清司)
・演出される異空間
(村井美代子)
・『エンディミオン』
(吉田泰彦)
・トマス・ハーディと異界
(上山泰)
・人工子宮を生み出すもの
(村田幸範)
・V・ウルフ『船出』における「異界」の意昧
(石川玲子)
・D・トマスの異界のヴィジョン
(仲渡一美)
・祝祭と『緋文字』
(松阪仁伺)
異人の表象−
・「太陽」の留保
(足達賀代子)
・記憶の形
(新野緑)
・欲望の生産および達成メカニズム
(桐山恵子)
・<異界>の創造
(西川盛雄)
・H・ジェイムズにおける<異界>
(橋本雅子)
異界とジャンル−
・異界に住む「シャロットの乙女」
(服部慶子)
・異界の中の親子
(市橋孝道)
・詐欺師の楽園
(中井麻記子)
・「これは事実に基づく」
(鴨川啓信)
・『河を渡って木立の中へ』の肖像画
(平井智子)
あとがき
(新野緑)
認知の営みと言語を眺望する
<ことば>が伝達するのは、私たちの<視点>からとらえた外界の姿に
ほかならない。意味の広がりに、文法に、そして語り・テクストにと
散りばめられた認知主体の<視点>から、言語のあり方の本質を見つめる。
意味の広がりと視点
・メタファーのダイナミクスと視点−Paradise
Lostの叙事詩的比喩をめぐって−
(大森文子)
・視点と共感覚表現
(岩橋一樹)
・身体スキーマの延長によるメトニミー表現
(森川文弘)
・文内参与者の概念拡張可能性について
(岡田禎之)
・視線は走る−自動詞runの多義性と主観的移動−
(谷口一美)
文法と視点
・英語懸垂分詞における「主観的」視点
(早瀬尚子)
・典型的tough構文に伴う多義性と主体的解釈について
(南佑亮)
・視点制約と日本語受動文の事態把握
(町田章)
・結果構文としての日本語の複合動詞と視点
(轟里香)
・関係節の文法化に見られる語用化メカニズム
(米倉よう子)
語り・テクストと視点
・メタファー発話の類似性レベルと解釈過程
(吉村あき子)
・物語文の現在時制における視点と文脈の変化
(西口純代)
・話法と認知
(西川盛雄)
・視覚的表象としての文字とことば
(竹鼻圭子)
・あとがき
(河上誓作)
領域を拓く英米文学論考集
薬物依存から人間関係全般に至る幅広い概念である「依存」。依存・
共依存脱依存の視点から英米文学と「依存」の関わりを自由闊達に
論じたフロンティア研究論考集。
1 依存
・狙われた女たち
(西村美保)
・ファニー・プライス
(吉田泰彦)
・ホプキンズとパルナシアン
(田邊久美子)
・『トワイライト・スリープ』が効かない
(吉野成美)
・サム・シェパード劇における闘う男たち
(森本道孝)
・ソール・ベローの『盗み』における依存
(岩橋浩幸)
2 供依存
・ギルバート・イムレイとの関係に見るメアリ・ウルストンクラフトの恋愛依存
(堀恵子)
・禁酒小説における「共依存」とセクシュアリティ
(森岡裕一)
・『うちにユダヤ人がいます』における屈折した共依存関係
(片渕悦久)
3 脱依存
・自立する「家庭の天使」ルーシー・スノウ
(馬渕 恵里)
・ディムズデイルの(非)主体化
(小久保潤子)
・ポストコロニアリズムと『ビリーバッド』
(藤江啓子)