実施日:4月27日午後4時半〜7時
場 所:文学研究科第1会議室
テーマ:原則論だけでセクハラを解決できるか?
パネリスト:
石元清英(関西大学教授、キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク)司 会:本間直樹(本学講師)
岩屋さおり(本学院生、ストップ・セクハラ阪大ネットワーク)
阪井葉子(本学助手)
三木一太朗(本学院生)
共 催:大阪大学大学院文学研究科・文学部、文学研究科院生協議会
《岩屋グループ》
岩屋さんの主張の通り「声をあげない」という選択が、被害者にとっては自分を守 るために必要なことはある。「記録をとれ」というが、それが声をあげろというプレッ シャーになるのも事実。しかし、記録がなければ、被害届を出したり、訴訟を起こし たりできない。「あなた、そんなことやめなさい」と言えるオープンな環境作りが大 切なのではないか。
(石元さんの言っていたように)40過ぎの男性の意識改革は難しい。何ができるの か。バッジのように、日常的にチクチクやられることは効果があるかもしれない。男 性の中には、セクハラであると訴えられることを恐れて神経質になっている人は実際 にいる。自分が教官だったら、やはり研究室のドアはあけておく(男性の大学院生の 言)。しかし、セクシュアル・ハラスメントに対する意識を高めるには、神経質にな る段階を経ることも必要かもしれない。
被害を訴えた場合の二次被害は深刻である。よくあるのは被害者を「魔性の女であ る」とか「不倫をしていて別れる際にもめた」とかいう虚偽の言い訳である。二次被 害を防ぐためにどうしたらいいか。二次被害が起きない環境を作れれば、そもそもセ クハラ被害は起きない。通常、被害者のプライバシー保護のために事件の詳細は公表 しないが、ある大学では教授会メンバーに資料を公開し、二次被害に対処した。(他 大学からの参加者の経験談)(青木)
《阪井グループ》 大学という組織のなかでの権力関係について。「助手の立場は弱い」というが教授 もそんなに権力をもっているわけではないという意見と、学生や助手からすれば教授 は権力をもつ存在であるという意見の両方が出されたが、教官・学生の生の声をぶつ けるまでには至らず、議論は活性化しなかった。 夫婦別姓について。姓名というものは個人が自由に選択できるものではないという 意見が出され、それに対して、研究者のあいだでは姓が途中で変わることによって受 ける不利益が大きいという反論がなされた。また、婚姻によってなぜ(男性ではなく) 女性が一方的に男性の姓にならねばならないのかについての疑問の声も出された。 (本間)
《石元グループ》 「教員の啓発のしかた」について。関心のない教員にセクシュアル・ハラスメント問 題について関心を持ってもらうためには、一般的な講演やビデオを使った教員研修の 他に、この問題に関して相談を受けた時の心構えやテクニックについて教える講習会 や、ロール・プレーを取り入れた講習などが効果的ではないか、との提案があった。 また、学生に関しては、カリキュラムに女性学・男性学のような授業を組み入れることも提案された。(荻野)