学部でまなぶ(ドイツ文学専修)


 ゲーテ、カフカ、あるいはグリム兄弟やケストナー ―― しかし、ドイツ文学専修は、ドイツの文学作品だけを扱う世界ではありません。ドイツ語で書かれた批評・思想・記録などを広く対象にしていますし、 またそうしたテクストの背後にある社会・文化・習慣なども視野に収めています。現在のオーストリアやスイスだけでなく、かつてドイツ語が 高い汎用性をもって流通していた中東欧地域も私たちの関心の範囲に含まれます。さらに、近現代の日本の社会や文化との比較・交流も、重要なポイントです。
 研究室メンバーは、大学院学生を含めて15〜25名と小規模ですので、学年・年齢を越えたつながりが深く、学部学生も早くから気軽に研究室に出入りしています。


【授業】

 講義では、ドイツ文学・文化の重要な視座、新しい研究アプローチなどについて、さまざま文献資料や視覚・音声資料を紹介しながら、理解を深めていきます。
 演習は、ドイツ語文献や日本語文献を精読する文献講読演習、ネイティヴ・スピーカーの指導によりドイツ語運用能力を高める 実践トレーニング演習があり、また授業内容によって2・3回生向けと3・4回生向けというグレード区分を設けています。


【中欧文化論講義・演習】

 2010年度から「中欧文化論」という科目を設定し、ドイツ語圏を含む広い地域の文化について知識を深める授業をスタートさせました。 今年はこの地域で活躍した東方ユダヤ人を取り上げ、イディッシュ語文化の諸相を探る講義と演習を行なっています。


【Forschungskolloquium】

 ドイツの大学の授業システムを手本にした、研究室所属の学部生・大学院生全員参加の演習で、専修として必修科目と位置づけています。 学生どうしのプレゼンテーションとディスカッションを中心とし、さらに教員スタッフやゲスト講師のレクチャーも織り交ぜて、 おたがいの研究情報や問題関心を共有する議論の場です。卒業論文作成に向けての予備発表や中間発表も、この授業でおこないます。


【卒業論文】

 卒業論文は、授業で与えられる情報や課題とは別に、自分自身の関心にしたがってテーマを発見し、データの収集・分析により 論を立てるという知的生産のサイクルをみずから実践する、文学部教育の最重要の柱です。
 ドイツ文学専修では、3回生後半に作業をスタートさせ、4回生の夏休み前に予備発表、夏休み後に中間発表をおこない、 そのつど研究室メンバー全員のアドバイスを受けて作成をすすめます。


【進路】

 ドイツ文学専修で学んだ学生は、他の文系学部学生と同じく一般企業から公共団体にいたるまで、広い分野で活躍しています。 その就職先は、ドイツあるいはドイツ語に限定されず、むしろ各自の希望や適性に応じたものです。 また、中学・高校のドイツ語科教員免許が取得可能ですが、英語科や国語科の免許取得をめざすひとも少なくありません。

 [過去3年間の学部卒業生の就職先]
    宮崎日々新聞、ニッセイ情報テクノロジー、アップ、東横イン


【最近の卒業論文】

[2009年度]

  • 「はてしなさ」の構造 『はてしない物語』を中心に
  • ケストナーの『ふたりのロッテ』における双子のモチーフ
  • ハンス・グリム『土地なき民』とナチズム 「第三部・独逸の領土」の分析

  • [2008年度]

  • 日本における「ハイジ」 その受容史をめぐる比較文学的研究
  • 象徴としての〈炎〉 E.T.Aホフマン『砂男』をめぐって
  • 『わたしが子どもだったころ』にみるケストナーの少年文学の原型
  • 秩序と逃走 『闇への逃走』における"逃走"とは何か
  • 神と「異教」の併存 『妖精の書』に見るパラケルススの信仰

  • [2007年度]

  • 『ラザロ詩篇』にみるハイネの現代性
  • アーデルハイトとロッテ 若きゲーテに見る人間理解
  • 「子ども」と「幻想世界」 E.T.Aホフマン『くるみ割り人形とねずみの王さま』について
  • ドイツ文学の表象と歴史的事件 社会成員の精神的自立と他者との共存のために

  • [2006年]

  • ヴィルヘルム・ハウフのメルヘン「再生」 『メルヘン年鑑』を中心に
  • メーリケの抒情詩における「病い」と詩作 三つのモチーフ「夜明け」「光」「希望」を中心に
  • Der Struwwelpeter oder lustige Geschichten und drollige Bilder
  • [もじゃもじゃペーター]について ヨーロッパと日本における受容



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