本棚


 高校時代の〈常識〉で判断してはいけません! この本棚に並ぶのは、文学作品だけではないのです。 歴史や思想、政治や経済、音楽や美術など、できるかぎり広く、ドイツに関係がありそうな本を置いてみたいと思います。 必要に応じて、他の欧米諸国、さらには日本・アジアと関連するものも並べます。 文化や社会の動きを常に複眼的に捉える視座としての文学研究、それが私たちの構想する「ドイツ文学入門」の世界ですから。


 このコーナーには、文庫本や新書など手軽に入手できるもののみならず、単行本や全集物の一冊もまた並ぶでしょう。 ときには、すでに品切れ・絶版の本も挙げていきます。ですから皆さんは、書店へいくだけでなく、図書館で目録を検索したり、 書庫の奥深くにもぐったり、古書店の店先を物色しなければなりません。本を探すのは、趣味の問題ではなく、 情報収集の技術です。皆さんは、大学生活をとおして、この〈知の技術〉を身につけてください。


ゲルマン民族の大移動からヨーロッパ統合のすすむ現代まで、ドイツ史を整理する-そういうタイプの本もたしかに存在しますが、 あくまでそれは「お勉強」向き。むしろここでは、ドイツ史をいくつかの時代を区切って、それぞれの時代像を骨太に 描き出した本を挙げてみましょう。
人間の社会文化のなかには、政治や経済など短期的に大きく変動するファクターもあれば、生活意識や習俗など 長期的にゆっくり変動するファクターもあります。後者は、地層にたとえて言うなら、短期的な変動がその上に 乗っている、より基底的なものと考えることができるでしょう。それはしかし、何気ない日常生活にこそ、はっきり露出していることがあるのです。




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