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特別講演会

「第3回特別講演会ご報告」

昨年11月14日、国際日本文化研究センター所長の山折哲雄先生をお迎えして、第3回特別講演会が、大阪大学中之島センターメモリアルホールで開催され、百名をこえる方が聴講されました。演題は「師と弟子」。みずからの旧制中学時代授業中に小説を読みふけっていて教師にしかられた思い出。大学院時代に女子中学ではじめて教壇に立ち、授業中にかつての自分と同じように小説を読んでいる少女に遭遇、その少女の読んでいたのがドストエフスキーだったことに衝撃を受け、「教えることの悲しみ」をはじめて味わった体験。それが教師としての原点だ、というお話をプロローグとして、「教師は学生に裏切られる存在である」という恩師のことばをテーマに、師と弟子の厳しくも深い絆について、ご講演いただきました。山折先生が具体的に触れられたのは、「弟子を持つことの不幸」という驚くべき文章を晩年に公表した内村鑑三。その多くの弟子の中から、志賀直哉、そして斎藤宗次郎という二人を選んでのお話。『歎異抄』の「親鸞は弟子をひとりも持たず候」という認識と重なるという、鑑三の厳しい弟子観について触れられた後、「師を裏切った」弟子の一人である志賀直哉が、最晩年に病気の師を見舞い、鑑三は「そうか、志賀が来たか」と言ったという話は、師弟の訣別と和解について考えされられました。鑑三に傾倒し、「花巻にトルストイあり」といわれた、山折先生と同郷の斎藤宗次郎については、花巻で迫害を受けながらも鑑三の思想を実践する弟子の一途な姿とそれを支える鑑三の愛を、熱をこめてお話しいただきました。宗次郎と宮沢賢治との交流や、山折先生が宗次郎の日記に出会う奇跡的ないきさつを交えた、心にしみるお話でした。最後は、釈迦が血縁のわが子を捨てながら非血縁の弟子にしていることにふれ、今の大学はその逆に、非血縁の弟子を「血縁」化していると指摘され、師弟という関係の根本に鋭く迫りました。師弟の年齢差は15歳から20歳くらいが、緊張と親和のバランスを保つのに最適であるというお話もなるほどと思わされました。講演後、質疑応答も活発に行われ、聴講者に深い感銘を残しまた。

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