2001年7月27日(金) 墳丘西側削平状況確認・墳丘盛土検出

本日は各トレンチとも昨日に引き続き、地山面・墳丘築造方法確認のための掘削と、崖面・トレンチ壁面の精査・分層を行った。
2次調査第1トレンチは分層を行った。しかし、石室保護と作業の安全を図るため、壁面の乾燥した土をすべて除去することができない。作業は困難を極めている。それでも、石室を設置するために掘削した地山のラインを確定し、石室石材の上面には均質でキメの細かい土が配されている状況を確認した。ただ、高所にある盛り土の分層はおおまかな把握にとどまっている。
2次調査第2・3トレンチでは昨日に引き続き地山面の確認作業を行った。第2トレンチでは地山直上からも近代以降の瓦が出土し、明治以降に大きく削平を被っていることが確認された。地山検出面は石室床面よりも1m以上もレベルが下であり、墳丘西側には古墳の痕跡は、残っていないことが明らかである。
また第3トレンチでも地山面をほぼ全面にわたって検出した。ここの削平は第2トレンチほどではないが、墳丘盛り土は全く残っていない模様である。
3次調査第1トレンチは昨日出土した埴輪片の出土状況写真を撮影すると共にあわせて実測図を作成した。トレンチ北半では墳丘面の確定を急ぐが果たせず。
3次調査第2トレンチは1次調査のトレンチ(1971年時)のトレンチをほぼ掘削。そのトレンチを北側へ拡張した。トレンチ断面の観察によると、南半部では黄色土と褐色土が交互に堆積するが、拡張した北半部(前方後円墳とすれば後円部側)では褐色土があまり認められない。盛土の種類が石室のある「北墳」側と「南墳」側で異なっているようである。ただ、これを2基の古墳に分けうるような盛土工程の大きな断絶は認められない。