発掘調査情報の発信に関する共同研究
勝福寺古墳の発掘調査においては、独立行政法人通信総合研究所(CRL:Communications Research Laboratory)との共同研究が進められており、2001年度は横穴式石室の三次元計測、2002年度は発掘調査情報のデジタルコンテンツ化およびインターネットによる情報発信の共同研究を実施しました。2002年のインターネットによる現地説明会のライブ中継には、多数の皆さまのアクセスを頂き、大変ありがとうございました。

日本では、発掘成果の公表は、ほぼ情報が確定した時点で報道発表を行い、現地公開説明会を開催するという方法が一般的です。たしかに、現地を訪れ、実物を目の前にした時の感動はなにものにも代え難い力を持っています。しかし、さまざまな事情で当日現地に来られない方のほうが圧倒的に多数派です。そこで、インターネットを活用して発掘調査の様子をお伝えすることによって、文化財に興味を持ってくださる方々のすそ野をすこしでも広げられたらという願いをこめて、行なったのが2002年度の実験的な取り組みでありました。

2002年の取り組みにおいては、多くの方々が興味を持って下さり、ライブ中継および、その後のオンデマンド配信は、好評のうちに終わることができました。ただその一方で、操作方法の難しさや画像の質などに関して、多くのご意見も頂きました。そのため、そうした点の反省も踏まえ、2003年度も同研究所の全面的な協力を得て、再度、インターネットによる情報発信の共同研究に取り組み、現場からの現地説明会ライブ中継を試みました。

また、2003年度には遺物の三次元計測にも取り組み、2001年度に計測した墳丘・横穴式石室の三次元デジタルコンテンツとあわせて、インターネット上における公開・活用を行っています。
勝福寺古墳発掘調査