−研究室小旅行記・乙訓編−


井ノ内稲荷塚古墳にて
2001年5月9日、恒例の新入生歓迎小旅行が行われた。本年度の目的地は向日市・長岡京市のいわゆる「乙訓地域」である。

乙訓地域は大阪大学考古学研究室が長年にわたって調査研究してきた地域であり、近年では井ノ内稲荷塚古墳・井ノ内車塚古墳・今里大塚古墳といった古墳の発掘調査を手がけてきた地でもある。

現在研究室においては、これら一連の古墳の調査報告書を作成中であり、今回の見学旅行の目的の一つは、今後と報告書作成作業に携わる新入生が、こうした古墳を実際に見て歩き、肌で実感することでもあった。当日は晴天に恵まれ、汗ばむ陽気となったが、学生は熱心に見学を行っていた。

当日の夜には新入生の歓迎会が催され、お二人のOBも迎えての盛会となった。恒例の自己紹介には惜しみない拍手が送られ、談笑の声の中に夜は更けていった。







 去る5月9日、京都府の向日市、長岡京市への大阪大学考古学研究室新入生歓迎小旅行が実施されました。去年同様、すばらしい晴天に恵まれ、大部分の人にとって「一年でもっとも長い距離を歩く日」であろう研究室小旅行をいっそう過酷にしてくれたわけですが、その疲労の価値ある有意義な一日でした。

 まず向日市から物集車塚古墳と向日市文化資料館を見学しました。物集車塚古墳では羨道まで入れてもらい、壁面の様子などを観察することができました。向日市文化資料館は見学者の興味を引くような試みが多数取り入れられていて、大変興味深く見学することができました。次に長岡京市に移動して、今里大塚古墳・井ノ内車塚古墳・井ノ内稲荷塚古墳を見学しましたが、大部分が研究室に関わりの深い古墳ということで、新入生歓迎という趣旨は何処へやら、上級生になればなるほど盛り上がっていたのがおもしろかったです。井ノ内稲荷塚古墳では墳丘上にあがって見学することもできました。

 考古学という学問が物を対象としている以上、実際に物にふれるというのは非常に重要なことです。そのため、このような機会は大事にしなければなりませんし、喜ぶべきものだと思います。秋の研究室旅行は熊本県に行くことが決定していますが、研究室の皆にとって価値ある旅行になることを願うと共に、自分自身、旅行の価値を高めるためにももう少し勉強に励まねばと思う次第です。

(三回生 金田)      


当日配布された
ガイドブックの表紙