歴史と研究活動 

大阪大学に於ける”考古学”は1960年代にその萌芽がみられました。

60年代初期には激増する緊急発掘の下で、古墳の発掘も行われたのですが、しかし専任教官のいない環境の下では継続した統一的な考古学研究までは発展せず、当時考古学を担当した北野耕平助手の退任とともにしばらく考古学的活動は姿を消しこの状態は70年代の末まで続きました。

1979年、文学部日本思想史講座に都出比呂志助教授(現考古学講座教授)が着任し、国史学専攻のなかで実質的な考古学研究・教育が開始しました。この後の研究室活動は1988年の考古学講座開設をへて現在まで、途切れることなく続いています。


1979年以降の研究室はほぼ毎年次のような活動を行ってきました。

まず春に新入生歓迎を兼ねた小旅行、年に1ヶ月から2ヶ月を費やしての発掘活動、秋の研究旅行、そして2月の卒業生・修了生の卒業論文、修士論文の諮問会などです。。このうち小旅行では主に近畿地方の遺跡巡りをまた研究旅行では3〜4日をかけて地方の遺跡見学を目的としてきました。

また毎年行われる発掘調査では数年にわたって継続的に行われるものも少なくなく、現在までに長法寺南原古墳(81年〜84年)雪野山古墳(89年〜92年)井ノ内稲荷塚古墳(93年〜97年)などで行われ、中でも雪野山古墳はその研究報告書『雪野山古墳の研究』が第6回雄山閣考古学特別賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

また海外との交流も活発で、都出比呂志や福永伸哉らによる海外調査・視察、講義以外に、トルコにおける初期中世都市遺跡の発掘にも参加するなど、幅広い交流・研究活動を行っています。


 年譜
できごと(研究室および教官の活動)
 前史
1961 真名井古墳・ヌク谷北塚古墳・野中アリ山古墳発掘調査
1962 駒ヶ谷宮山古墳発掘調査
1964 国史学講座北野耕平助手着任
1964 野中古墳発掘調査
1967 31 国史学講座北野耕平助手退任、神戸商船大学へ
1979 日本思想史講座都出比呂志助教授着任
国史学専攻のなかで実質的な考古学研究教育始まる
7・8 都出助教授ヨーロッパ墳丘墓の調査
1980 14 向日市南条古墳測量調査(〜7/18)
7・8 都出助教授ヨーロッパ墳丘墓の調査
1981 20 長法寺南原古墳第2次調査(〜8/3)
1982 21 長法寺南原古墳第3次調査(〜8/13)
1983 11 長法寺南原古墳第4次調査(〜8/15)
阪大豊中キャンパスRI総合センター用地内発掘調査(〜10/11)
以後、待兼山遺跡として周知の遺跡に
1984 16 長法寺南原古墳第5次調査(〜8/10)
1986 阪大埋蔵文化財調査委員会のもとに埋蔵文化財調査室開設
福永伸哉助手着任
21 鳥居前古墳第2次調査(〜8/19)
1987 阪大豊中キャンパステニスコート用地内発掘調査(〜2/10)
10 阪大豊中キャンパス極限物質センター用地内発掘調査(〜7/1)
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 考古学研究室開設以降
1988 考古学講座開設
都出比呂志教授就任
福永伸哉考古学講座助手を兼任
13 新歓小旅行(宇治、国史研究室と合同)
13 柴田友子さんに事務手伝いをお願いする(〜2002年)
18 鳥居前古墳第3次調査(〜8/30)
11 7-9 研究室旅行(岐阜)
12 26 国史学研究室との同居から4階へ引っ越し
1989 13 今里大塚古墳測量調査(〜3/22)
15 新歓小旅行(山辺の道)
都出教授第2回浜田青陵賞受賞
14 長法寺南原古墳第6次調査・弁天芝丘陵試掘調査(〜8/19)
13 雪野山古墳第1次調査(〜11/18)
10 24-26 研究室旅行(鳥取)
1990 23 雪野山古墳第2次調査(〜5/6)
15 新歓小旅行(野洲・安土)
23 桜井谷窯跡群2-23号窯跡発掘調査(〜8/31)
10 28-31 研究室旅行(群馬・栃木)
12 15 福永助手韓国三国時代遺跡調査
1991 17 雪野山古墳第3次調査(〜5/15)
27 雪野山古墳発掘打上げと新歓をかねたコンパ(新歓小旅行なし)
12 都出教授イギリス・ノルウェー・スウェーデン・フランスにおいて
遺跡の保存整備と博物館の現状調査(〜8/25)
30 福永助手トルコ初期中世都市遺跡およびギリシア古代遺跡の調査(〜10/31)
11 11-13 研究室旅行(丹後・若狭)
1992 16 雪野山古墳第4次調査(〜4/13)
26 新歓小旅行(播磨)
都出教授長期在外研究でイギリス・ケンブリッジ大学へ(〜1993/4/30)
帰国途中にアメリカ・アジア学会で研究発表
26 杉井院生トルコ初期中世都市遺跡の調査(〜10/31)
11 10-12 研究室旅行(対馬・壱岐)
1993 15 井ノ内稲荷塚古墳測量調査(〜3/23)
21 新歓小旅行(神戸)
20 井ノ内稲荷塚古墳第1次調査(〜8/10)
18 都出教授オーストラリア国立大学における国際学会で研究発表(〜9/24)
11 8-10 研究室旅行(香川)
1994 考古学講座福永伸哉助教授就任
埋蔵文化財調査室杉井健助手着任
11 新歓小旅行(河内飛鳥)
20 井ノ内稲荷塚古墳第2次調査(〜8/11)
22 杉井助手韓国における墳墓出土遺物の調査(〜8/26)
24 都出教授韓国における古墳の調査(〜8/30)
14 福永助教授・杉井助手トルコ初期中世都市遺跡の調査(〜10/7)
11 7-9 研究室旅行(長野)
1995 都出教授中国湖北省の集落遺跡の調査(〜5/14)
16 新歓小旅行(藤原京)
21 井ノ内稲荷塚古墳第3次調査(〜8/18)
16 福永助教授・杉井助手トルコ初期中世都市遺跡の発掘調査(〜10/13)
11 7-9 研究室旅行(静岡)
12 18 都出教授中国江蘇省草鞋山遺跡の調査(〜12/25)
1996 新歓小旅行(柏原)
15 井ノ内稲荷塚古墳第4次調査(〜10/4)
福永助教授中国遼寧省、河北省、北京市出土青銅鏡の調査(〜8/11)
福永助教授・高田院生トルコ初期中世都市遺跡の発掘調査(〜10/4)
10 29-31 研究室旅行(石川・富山)
1997 新歓小旅行(馬見)
21 『雪野山古墳の研究』第6回雄山閣考古学特別賞受賞
14 井ノ内稲荷塚古墳第5次調査・井ノ内車塚古墳測量調査(〜8/18)
25 福永助教授・杉井助手トルコ初期中世都市遺跡の発掘調査(〜9/27)
29 都出教授カリフォルニア大学バークレー校にVisiting Professorとして出講
(〜10/12)
10 28-30 研究室旅行(大分)
1998 31 杉井助手退任、熊本大学へ
埋蔵文化財調査室清家 章助手着任
新歓小旅行(奈良北部)
30 都出教授第16回インド太平洋先史学会(マレーシア)で研究発表(〜7/8)
22 大垣市教育委員会による昼飯大塚古墳第6次調査へ参加(〜9/10)
寺前院生トルコ初期中世都市遺跡の発掘調査(〜9/25)
10 27-29 研究室旅行(鳥取)
1999 『古墳時代首長系譜パターンの比較研究』発行
研究室10周年論集『国家形成期の考古学』発行
新歓小旅行
羽生淳子氏講演会
7-8 井ノ内稲荷塚古墳・今里大塚古墳墳丘調査
福永助教授、中国・三国時代出土鏡調査
8-9 清家助手・寺前院生・西谷院生、トルコ初期中世都市遺跡調査に参加
10 研究室旅行(山口)
11 旧医療技術短期大学跡地試掘調査(埋蔵文化財調査室)
2000 旧医療技術短期大学跡地試掘調査(埋蔵文化財調査室・須恵器等大量に出土)
『今里大塚古墳第3次調査概要・井ノ内車塚古墳第3次調査概要』発行
新歓小旅行(奈良・明日香)
7-8 勝福寺古墳測量調査
福永助教授・清家助手・林院生・長友院生、トルコ初期中世都市遺跡調査に参加
10 研究室旅行(長野県)
12 旧医療技術短期大学跡地試掘調査(埋蔵文化財調査室・土器棺検出)
2001 旧医療技術短期大学跡地試掘調査報告書『待兼山遺跡V』発行(埋蔵文化財調査室)
『勝福寺古墳測量調査報告書』発行
7-8 勝福寺古墳第2次・第3次調査
8-9 福永助教授・清家助手・林院生、トルコ初期中世都市遺跡調査に参加
10 寺前直人、教務補佐員に着任(埋蔵文化財調査室)
10-1 中之島センター予定地埋蔵文化財調査(埋蔵文化財調査室)
10 研究室旅行(熊本)
2002 3 都出先生還暦記念祝賀会
3 寺前直人教務補佐員退任、日本学術振興会研究員に
高橋照彦助教授着任。長友朋子教務補佐員着任。
神原美穂さんに事務手伝いをお願いする(〜現在)
5 新歓小旅行(滋賀)
7 勝福寺古墳第4次・第5次調査
8 福永助教授・清家助手・中村大介院生、トルコ初期中世都市遺跡調査
9 高橋助教授中国山東省にて調査
10 研究室旅行(富山)
12 事務を担当された柴田友子さん退職
2003 3 『久留米藩蔵屋敷跡』発行(埋蔵文化財調査室)
3 清家章助手、第20回村尾育英会学術賞を受賞
3 清家助手退任、高知大学助教授へ転出
長友朋子教務補佐員退任、大手前大学史学研究所研究員に
埋蔵文化財調査室 寺前直人助手着任
5 新歓小旅行(丹波)
7 勝福寺古墳第6次・第7次調査
高橋助教授中国にて調査
10 研究室旅行(宮城・岩手)
2004 3 勝福寺古墳第8次調査・篠大谷窯跡群測量調査
3 『西日本における前方後円墳消滅過程の比較研究』刊行
『埋蔵文化財調査室年報1』発行(埋蔵文化財調査室)
5 新歓小旅行(播磨)
7 篠大谷窯跡群調査
都出教授、滋賀県八日市市の功労賞受賞
9 福永助教授、ヨーロッパにて墳墓調査
11 研究室旅行(四国)