中国文学専修

中国文学は大阪大学文学部の中でも比較的若い専修で、文学のみならず古典時代の政治や経済・歴史・哲学・芸術など、人間に関わるさまざまな問題をめぐって教育・研究が行われています。中国学の伝統に立脚しながらも、新たな風を吹き込もうとする若々しい活気に満ちています。

中国の文学者たちは古くから人間のさまざまな活動に興味を示してきました。本専修では、もちろん文学を中心に教育・研究が行われていますが、その志は高く、中国の文学者が興味を持ったすべてのものに等しく興味を持とうとしています。それは他でもなく、彼らが言葉で表現したすべてを、なるべく元のニュアンスで読み解こうとしているからです。言葉の分析を通して、人間という存在が生み出すさまざまな問題について考えてみましょう。そして、自由に発言し、討論してみましょう。授業においては中国の文献を読むうえでの基礎的訓練が行われますが、テキストの前では年齢や立場の違いはありません。本専修の若さはそういう面で発揮されています。

教員紹介

教授 高橋文治

たかはし ぶんじ
中国文学
8世紀~14世紀の戯曲や小説を中心とする俗文学史、文体論
メッセージ
文学部の中国文学という専修が何をする所か想像がつかない人はいないでしょう。でも私は、そこで自分が何をすべきかしばしば解らなくなります。私が中国の文章を読むのは、中国文学の批評家になるためでも、中国通になってテレビでコメントをするためでも、漢字博士になって「薀蓄」をたれるためでもありません。中国には「宿債」という言葉があって、これは「前世からの借金」の意味。解決の方法もない悲しみを負った時、「前世に犯した罪のせいだ」と諦めるため、かつては用いたのです。『聊斎志異』の作者蒲松齢は、自分が生まれる時に亡父が放浪僧の夢を見たと語り、その僧が自分の前身で、自身の文学への妄執は煩悩ゆえに成仏できなかったその僧の遺恨ではないかと疑っています。私は前世の夢を見たことがありません。ですが、今の心の状態が「宿債」のせいかもしれないと想像してみたことはあります。
趣味
自分のために行う無駄遣い

教授 浅見洋二

あさみ ようじ
六朝・唐・宋を中心とする古典中国の詩学
六朝・唐・宋の詩と詩論(詩文集の編纂・注釈史、『文選』詩篇、蘇軾・黄庭堅等の宋代文人研究)
メッセージ
中国文学の研究に取り組もうとする者は、当然のことながら中国の言葉や社会・文化に対して深い愛着を持たなければならないでしょう。しかし、それだけでいいのでしょうか。とにかく中国が好き、中国の歴史や文化が好きというだけの中国ファンにとどまってしまうとすれば、それは少し問題だとおもいます。逆説的に聞こえるかもしれませんが、中国文学を専攻する者であるからこそ中国ファンであることから遠ざかっていたい、そのような態度も必要でしょう。中国あるいは中国文学という枠組みにとらわれない、人文諸学全般にわたる柔軟で幅広い関心を備えていただきたい、さまざまな分野の先鋭な書物との対話を通して自分独自の問題を構築できるような言葉の力を育んでいただきたい、と願っています。
趣味
独り其の身を善くす。

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