日本語学専修
日本語学専修は、現代日本語学、社会言語学、対照言語学、日本語教育学の4つの領域の教育・研究を行っています。現代日本語学では、話し言葉や書き言葉の実例を広範かつ大量に調査することによって、日本語を数ある言語の一つとして客観的に捉え、文法・語彙・音韻・表記等の特質を分析します。社会言語学では、地域差(方言)・性差・年齢差や場面による言葉の違い、非母語話者の日本語など、現代社会に存在する日本語の多様性と、それがもたらす言語学的・社会的な問題を把握し分析します。対照言語学では、日本語の諸側面の特徴を、他言語のそれと比較する作業を通して、相対化して把握することを目指します。日本語教育学では、日本語を第二言語として学ぶ人々を全人的に捉え、日本語の学習および教育に関わる複雑な心理的・社会的要因を質的に研究します。
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教員紹介
教授 工藤真由美
くどう まゆみ 現代日本語学 現代日本語(標準語や諸方言)の文法研究や日系移民社会における言語接触論 |
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- メッセージ
- 伊達十万石の城下町であった四国の地方都市を出て東京の大学に進学しました。学生時代に必読書として指定された本のなかで出会った言葉が今でも印象に残っています。「言語は、われわれの知っているうちで最も巨大で、最も包括的な芸術であり、無意識の幾世代がものにした雄大な、しかも無名の作品である」(サピア著・泉井久之助訳『言語』)昨今は、方言や少数民族の言葉を見直し、地域性を尊重しよう、その文化的価値をあらためて確認しようという大きな流れが生まれています。また、国境を越えた人の移動が加速化し、日本語が他言語との関係の中でみつめられる機会も増大してきました。ことばの研究というと、文法の形式的な無味乾燥さを思い浮かべてしまう人が多いかも知れません。しかし、最近の日本語研究では、意味・機能への考察が進み、ゆきすぎた画一化に対抗して、多様性をとらえた上での精密化を求めようとしています。標準語を含めて日本語の様々なバリエーションが提起する諸問題を考えていきたいと思っています。
- 趣味
- 登山と高山植物の観察
教授 青木直子
あおき なおこ 言語教育学 第二言語の学習者オートノミー、ナラティブ型の教師教育、在日外国人への日本語学習支援 |
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- メッセージ
- 私の専門は一にも二にも第二言語教育です。ふだん関わっているのは、日本国内における第二言語としての日本語に関することです。日本の社会で「外国人」として生きることはかなりつらいことのようです。私自身にはその経験がないので「ようです」としか書けませんが、はっきり言って、ふつうの「日本人」はこのことをほとんど知りません。私は、日本語を学ぶ人たちに人間として敬意をもって接することのできる人、彼らの立場に立ってモノを見られる人、彼らの住む世界について学ぼうという謙虚な態度をもった人がもっと増えたらいいなと思っています。私の授業のいちばん大きい目的はそれです。
- 趣味
- 料理、エステ、一人旅、宴会の幹事
教授 田野村忠温
たのむら ただはる 言語学・日本語学 専門分野は言語学・日本語学。主に日本語の文法・意味・音韻などの諸現象を分析している。 |
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- メッセージ
- もしこの世から言語が消えたらどんなことになるでしょうか?あるいは、そもそも始めから言語がなければ地球はどんな場所になっていたでしょうか?そんな想像をめぐらしてみるだけでも、言語が人間にとっていかに重要な存在であるかが分かります。言語は我々の関心をそそる疑問の無限の宝庫です。言語はいつどうやって生まれたのか?人間は言語を使わずに思考できるのか?話す言語が違えば思考の内容も異なるのか?ことばの意味とは何なのか?日本語は外国語と比べてどんな特徴があるのか?……そんな調子で挙げていけば、この冊子の1ページくらいあっという間に埋まってしまうことでしょう。ことばや日本語の問題に関心がある人にとって、日本語学は数々の興味の尽きない話題を提供してくれる学問分野です。若い皆さんのフレッシュな感覚と着想で独自のテーマに取り組み、日本語の研究に新たな1ページを付け加えていただけることを期待しています。
- 趣味
- 月並みですが音楽鑑賞など。
教授 石井正彦
いしい まさひこ 現代日本語学・計量言語学 コーパスを使った現代日本語の単語使用の研究、探索的データ解析による日本語研究法の開発 |
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- メッセージ
- ことばの研究は、大きく、その仕組み(構造や体系)を解明しようとするものと、その使い方のパターンを見出そうとするものとに分けられます。もちろん、どちらも大事なのですが、最近の私の興味は、後者の言語使用の研究、とくに、単語がどのように使われるのかという点にあります。たとえば、新聞で「沖縄の人々」はあっても「東京の人々」と言い方がほとんどないのはなぜか、教科書で「たとえば」という単語が「物理」ではたくさん使われるのに「日本史」や「世界史」でほとんど使われないのはなぜか、テレビ放送で料理番組の講師は「先生」と呼ばれるのにスポーツ中継の解説者がそう呼ばれないのはなぜか、といったことなどです。これらの問いに答えるためには、文章や談話という、単語より大きな単位も考慮しなければなりませんし、心理学や社会学、文化人類学など、他の学問領域の考え方や知見にも目を向ける必要があります。言語使用の研究は、言語と人間・社会・文化などとの関係を考えることにつながっていきます。
- 趣味
- 小旅行(関西の名所旧跡を(食べ/飲み)歩くこと)
教授 渋谷勝己
しぶや かつみ 日本語学 日本語方言の記述的・類型論的研究、言語の動態研究 |
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- メッセージ
- 平安時代のことばと現代のことばをくらべてみると、そのなかには「山」や「川」といった語のようにほぼ同じものが使われているところがありますが、大きな違いが観察されるところもあります。前の文の最後の「ます」は平安時代のことばのなかには見あたりませんし、「観察される」の「される」は、平安時代は「せらるる」でした。日本語は、時代によって多種多様です。また、日本語のなかにはたくさんの方言があって、たとえば「あしたは雨が降る」の文のあとには、共通語ではヨやネ、ゾ、サ、ワなどが続き、方言によってはガ、ガナ、ケ、ジェ、ス、ズ、チャ、デ、ド、ハ、バ、ベなど、さらに多彩な終助詞が続くことがあります。日本語は、空間的にも多種多様です。では、このような多様性は、いつ、どのようにして生じたものなのでしょうか。このような問いに答えを見出していくことが私の研究課題です。よかったらいっしょに考えてみませんか。
- 趣味
- ラーメンの食べ歩き。ときどきはしご。
准教授 高木千恵
たかぎ ちえ 日本語学 日現代の地域社会における方言と標準語の接触による言語変化、移住に伴うことばの変化 |
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- メッセージ
- 社会言語学という学問は、ことばと社会、ことばと人間のかかわりについて考えるものです。社会言語学的に考えると、ことばには、自分が何者であるかを示すはたらきと自分と相手の関係性を示すはたらきがあるといえます。人は、意識的であれ無意識的であれことばづかいによって自分についての情報を聞き手に与えています。たとえば日本語の人称詞なら、ボク、オレ、ワシ、ウチ、アタシ、ワタシといった複数の選択肢から一つ選ぶことで、自分が自分を何者と考えているかが相手に伝えられることになるでしょう。また人はことばづかいによって、自分が相手をどのような存在とみなしているかを伝えてもいます。タメ口を使う=親しい間柄である、丁寧語や敬語を使う=上下関係がある、よそよそしい間柄である、といった具合です。実際の社会のなかでのことばの運用は実にダイナミックなものです。ひとつひとつをつぶさに観察し、ことばの使い手である人間そのものを理解しようとする、それが社会言語学の本質であると思います。
- 趣味
- 夏野菜づくり、庭の生き物の観察、梅酒づくり
准教授 Matthew Burdelski
マシュー・バーデルスキー 語用論、言語的社会化、会話分析 第一言語、第二言語または継承語としての日本語による幼児の言語的社会化 |
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- メッセージ
- 日本語学専門の学生は日本語をより深く理解するために、音声、語彙、文型などだけではなく、言語と文化の相互関係も理解する必要があると思われます。「文化」というのは会話的相互作用で生み出される「言語的・非言語的資源」及び発話行為などという「社会的実践」であると考えられます。授業では、日本語話者がどのようにその言語的・非言語的資源及び社会的実践を習得するのか、またそれらを使用しどのようにジェンダーや社会役割などというアイデンティティーを構築するのか、というような問いを主にビデオデータの分析を通し一緒に考察してゆきたいと思います。
- 座右の銘
- 「日々新たに」
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