日本史学専修
1854年、ペリー率いる黒船の威力に屈して日米和親条約を結び鎖国は終わった―よく知られた事柄ですが、だからといって自明ではありません。この事実を証明するためには、数多くの史料を発掘し、さまざまな手続きを経ることが必要です。また、そもそも日米和親条約の締結により開国したと理解してよいのでしょうか。広く東アジアの中に位置付けてみると、事柄の違った側面が見えてくるかも知れません。
皆さんは、これまで専ら他人が書いたものによって歴史を学んできた筈です。大学では、自ら課題を設定し史料を集め、自らの方法によって独自の結論を得ることが求められます。本専修では、このような能力を身につけるため、各時代の演習・講義が用意されています。皆さんは、それらによって基礎的能力を身につけた上で、最終的には卒論という形で自己の見解を提出することになります。
研究室では、院生・学生が絶えず議論をたたかわせています。春と秋には恒例の研究室旅行があります。色々な場を通して、大いに自分を磨いてください。
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教員紹介
教授 平雅行
たいら まさゆき 日本中世史 中世仏教が社会構造や国家システムにどのような影響を与えたのかを研究している。 |
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- メッセージ
- 鎌倉仏教の代表的思想家の一人、明恵はかつてこう語った。「私に弟子はいらない。世間ではすぐに弟子をとって仕込みたがる者が多いが、弟子を仕込む暇があるなら、一生涯、自分自身を仕込めばよいのだ」。 この点については私もまったく同感だ。しかし、私は明恵の言葉にもう一言付け加えたく思う。私たちは弟子などほしくない。しかし仲間は欲しい。鋭敏な感受性と先鋭な問題意識をいだき、熱くきびしい議論を交わすことのできる若い友人がほしい。共に切磋琢磨し、ともに成長してゆけるような若い仲間がほしい。そういう若い仲間とつどえる場所、阪大日本史研究室はそういう場であり、またそういう場でありつづけてほしいと私は願っている。
- 趣味
- 平凡ですが……韓流ドラマとタイガース
教授 村田路人
むらた みちひと 日本近世史 近世における幕藩領主支配の研究 |
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- メッセージ
- 歴史学に限らず、どの学問分野においても、「視点を変える」という姿勢が大切です。同じ視角からばかり研究していると、そのうち行き詰まってしまいます。逆に、もうやり尽くされたと思われているテーマも、これまでとは違った視点から見直してみると、まだまだやれる余地があることに気づきます。たとえば、江戸時代において幕府や領主が出した法令を取り上げるとき、高校日本史の教科書などに典型的に示されていますが、どうしても法令そのものの趣旨や意義の解説が中心になります。しかし、これを、その法令がどのような過程を経て村や町に伝達され、百姓や町人のもとに達したのかといった観点からも検討すると、もっと豊かな幕藩領主支配の姿が浮かび上がってきます。視点を変える—簡単なことではありませんが、新しい歴史像を構築するために、これが最も大切なことだと思っています。
- 趣味
- 見知らぬ地を歩いてさまざまな発見をすること。
教授 飯塚一幸
いいづか かずゆき 日本近世史 日本近代史。近代化による地域社会の変容を検討することで、伝統と近代の問題を考えている。 |
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- メッセージ
- 近年、日本近代史に限らず、史料へのアクセスは飛躍的に改善された。史料の森への旅は、その気さえあれば格段に容易になりつつある。けれども、膨大な史料の中からテーマを発見し問題をつかみ出すことはむずかしい。歴史学を学ぶものとしてのセンスを問われるのもそこだ。ならば、そうした力を身につけるにはどうすればよいか。別にマニュアルがあるわけではないが、私は社会に対して批判精神に富んだ関心を持ち続けることが肝要だと思う。率直に議論を闘わすことのできる集団も重要だろう。新しい発想で史料と格闘し、問題を徹底的に考え抜く気迫を持った若い世代が登場してほしい。我々も「昭和の老人」扱いされぬよう自戒しつつ、皆さんを待っている。
- 趣味
- 古本屋めぐり
教授 武田佐知子
たけだ さちこ 日本古代史 私は一貫して、「着衣する身体」を研究の対象とし、着ている衣服が表象する人間の意志、性、力といった側面の、歴史と現在を見てきました。衣服の形や衣服形態の諸相を、社会構造や国際関係の分析の具として位置づけ、衣服を着用する人間相互の、社会的位置関係を考える作業をしています。 |
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- メッセージ
- キミたち、今日ナニを着てる? なぜその服を着てるかって、着なければならなかったのだろうかって、考えたこと、ある? ヒトはみーんな服を着ています。服を着ているのがヒトのしるしです。ヒトのあかしの衣服は、現代でさえ、周囲の環境によって規定されます。けっして自由に衣服が着られるわけではありません。どんな衣服を着るか、着なければならなかったかが、その時代の社会を知る鍵になるのです。そうした手法で、みんなで歴史を考えてみたいと思っています。
- 趣味
- テニス・スイミング・旅行
准教授 市大樹
いち ひろき 日本古代史 日本古代の地方支配システム(特に交通制度)、飛鳥藤原地域出土の木簡。 |
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- メッセージ
- 日本古代史の論文を執筆するためには、相対的に数の少ない史料を突き詰めて読み込み、膨大な研究史を吸収・理解した上で、独自の見解をださなければなりません。私は古代史の勉強を始めて20年になろうとしていますが、未だに論文1本を書き上げるのに四苦八苦しているような始末です。あるテーマと格闘しながらも、結局は独自の見解をだすことができず、時期尚早ということで執筆を諦めてしまったものは少なくありません。しかし、まったく別のテーマを追求していたとき、ふと解決できてしまうこともあります。要は切り口をいかにしてみつけるかです。自分の狭い専門の枠に閉じこもらず、旺盛な知的好奇心をもって、さまざまな分野の人たちと積極的に交流することをお奨めします。また、あまり肩肘張らずに、純粋に日本古代史の勉強を楽しもうという、心のゆとりも大切です。
- 趣味
- 鉄道・バスに乗り、歩き回り、温泉に入ること。
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