国語学(国文学・東洋文学講座)

国語学は、国語の音韻、文字・表記、文法、語彙などについて、上代から近・現代にわたり、通時的・共時的に研究する。「日本語学」が現代語を主な対象とするのに対し、「国語学」では、通時的研究に重点を置き、明治以前の国語を主な対象とする

文献により実証することを重視するので、文献をどう読むかという点で「日本文学」の知識も必要になる

2005年度の大学院生は15名、うち留学生1名、女性10名である。指導教員ごとに、修士論文・博士論文の個別指導・論文作成演習を行う。「日本文学」「比較文学」とともに、10月に修士論文中間発表会、7月・11月に大学院生研究発表会を行う。学会での研究発表なども勧めている。

その他、国語語彙史研究会の事務局を置くなどしている。

写真:研究室で演習の一コマ

教員紹介

教授 蜂矢真郷

はちや まさと
1946年生。京都大学文学部卒業、同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。文学博士。親和女子大学専任講師、同助教授、帝塚山学院大学助教授、奈良女子大学文学部助教授、大阪大学文学部助教授を経て現職。
専攻:国語学
研究紹介
国語の語構成について、重複することと接尾辞ラなどを伴うこととの連続性の考察から、いわゆる畳語を含む重複語と接尾辞を伴う派生語とを統一的に把握しようとし、上代・中古さらには中世を中心とする重複語や派生語について語構成論的に考察する。また、語彙史や上代語についても考察し、清濁も重要な問題点と考えている。萬葉学会編輯委員、国語学会(→日本語学会)評議員・常任査読委員、訓点語学会委員、国語語彙史研究会代表幹事、国語文学史研究会委員・編集主任。
メッセージ
語構成とは何を研究することかと説明する際に、例えばサカナ(魚)やヤマ(山)が複合語であることについて述べる。形容詞の語彙の話では、布施明が「シクラメンのかほり」で「すがしいものはない」と歌う形容詞スガシ(イ)が、古くには見えず明治末の伊藤左千夫や長塚節の短歌の例が最初らしいことを示す。近年増えたローマ字表記の中に、少し変わったものが結構多いことに注意する。本論にせよ横にそれた話にせよ、国語のおもしろい事柄に少しなりとも興味が持たれることをまずは期待している。これらが蓄積され比較され、そして、体系的にとらえられればなおよい。できれば鋭く深い分析と、さらには文章力もほしい。文献を読むには、日本文学(特に古典)を始めとする幅広い教養も必要である。
主要業績
『国語重複語の語構成論的研究』塙書房(1998);「?キと?ギ」『萬葉』150(1994);「ラ接尾形とリ接尾形」『上代語と表記』おうふう(2000);「一音節語幹の形容詞」『萬葉』178(2001);「語幹を共通にする形容詞と形容動詞」『国語語彙史の研究』22(2003)

教授 金水敏

きんすい さとし
1956年生。1982年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。文学修士(東京大学、1981年)。東京大学助手、神戸大学教養部講師、大阪女子大学助教授、神戸大学文学部助教授を経て、2000年4月現職。
専攻:国語学/言語学
研究紹介
日本語の存在動詞構文、アスペクト形式、受動文、指示詞、終助詞、格助詞等の問題について、理論的研究、歴史的研究、対照研究等の観点から考察を進めている。また日本語のステレオタイプ(役割語)についても研究している。
メッセージ
今、言語の歴史的な研究が大変おもしろくなっています。言語学の新しい理論が、言語の歴史に新しい光を当てつつあるのです。日本語は、文献、方言ともに歴史的資料の宝庫であり、世界中の言語学者が日本語のデータに注目しています。国語学で積み重ねられてきた成果も、新しい目で見直すことによって、新たな発見・再発見につながっていくことと期待されます。どうぞ、私たちの研究室においでになって、熱い探求の息吹に触れてください。私の研究や授業その他の詳細については、ホームページを参照してください。
主要業績
『現代言語学入門4意味と文脈』岩波書店(共著、2000);『日本語の文法4時・否定と取り立て』岩波書店(共著、2000);『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店(2003);『日本語存在表現の歴史』ひつじ書房 (2006)

准教授 岡島昭浩

おかじま あきひろ
1961年生。1987年、九州大学大学院文学研究科博士後期課程中退。文学修士(九州大学、1986年)。九州大学文学部助手、京都府立大学女子短期大学部講師・助教授、福井大学教育学部(教育地域科学部)助教授を経て現職。
専攻:国語学
研究紹介
日本における漢字音の歴史、漢字音研究の歴史について研究することを足がかりにして、国語音韻史、日本語学史、辞書史についても研究している。なお「日本語学史」は、日本語研究の歴史と、日本における言語研究の歴史を合わせた呼び名のつもりである。また、研究とは言えないような、言語に関する意識の歴史をも含めて考えたいと思っている。
メッセージ
過去から現代まで伝わって来たものを、我々は後世に伝えて行けるだろうかと不安になることがある。見出した資料が複写されることもなく天下の孤本として存在しているのを見たり、長く閲覧する人の居なかった書物であれば他所にあろうとなかろうと棄ててよいという意見を聞いたりする時である。文学研究に志す人も、よいものだけ伝えればよいと思うのではなく、多くの情報を伝えるよう考えて欲しい。ホームページはhttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/
主要業績
半濁音名義考」『筑紫語学論叢』(風間書房2001);「江戸期韻学における音韻日月燈」『明清時代の音韻学』(京都大学人文科学研究所2001);「漢語資料としての詩学書」(『語文研究』86・87 1999)、「武家共通語と謡曲」(『雅俗』3 1996);「近世唐音の清濁」(『訓点語と訓点資料』88 1992)
概説・一般書
「元禄の辞書」(『元禄文学を学ぶ人のために』世界思想社2001)

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