国語学(国文学・東洋文学講座)

国語学は、国語の音韻、文字・表記、文法、語彙などについて、上代から近・現代にわたり、通時的・共時的に研究する。本研究科においては、「日本語学」が現代語を主な対象とするのに対し、「国語学」では、通時的研究に重点を置き、時代を遡った文献に見える国語を主な対象とする。

文献により実証することを重視するので、文献をどう読むかという点で「日本文学」の知識も必要で、研究活動をともにしている。 2010年度の大学院生は12名、うち留学生2名である。指導教員ごとに、修士論文・博士論文の個別指導・論文作成演習を行う。「日本文学」「比較文学」とともに、10月に修士論文中間発表会、7月・11月に大学院生研究発表会を行う。学会での研究発表なども勧めている。

その他、国語語彙史研究会・土曜ことばの会の事務局を置くなどしている。

教員紹介

教授 金水敏

きんすい さとし
1956年生。1982年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。博士(文学)(大阪大学、2006年)。東京大学助手、神戸大学教養部講師、大阪女子大学助教授、神戸大学文学部助教授を経て、2000年4月現職。
専攻:国語学/言語学
研究紹介
広く、日本語文法の歴史的研究と、役割語研究に携わっている。日本語文法については、存在表現の歴史、歴史統語論、歴史語用論に関わる研究を行ってきた。存在表現は、「いる」「おる」「ある」とその敬語形の対立について、歴史的・地理的な観点から研究している。歴史的統語論については、複文の構造を中心に生成文法に準拠した研究を行っている。歴史語用論は、指示詞、移動動詞、授与動詞、敬語等に着目しながら、人称に関わる現象の歴史的変化、地理的分布等について研究している。役割語とは、人物像と結びついた話し方のステレオタイプのことで、その原理と機能、歴史的形成過程、外国語との対照等について考えている。
メッセージ
今、言語の歴史的な研究が大変おもしろくなっています。言語学の新しい理論が、言語の歴史に新しい光を当てつつあるのです。日本語は、文献、方言ともに歴史的資料の宝庫であり、世界中の言語学者が日本語のデータに注目しています。国語学で積み重ねられてきた成果も、新しい目で見直すことによって、新たな発見・再発見につながっていくことと期待されます。どうぞ、私たちの研究室においでになって、熱い探求の息吹に触れてください。私の研究や授業その他の詳細については、ホームページを参照してください。
主要業績
『現代言語学入門4意味と文脈』岩波書店(共著、2000);『日本語の文法4時・否定と文脈』岩波書店(共著、2000);『日本語存在表現の歴史』ひつじ書房(2006);『役割語研究の地平』くろしお出版(共編著、2007);『シリーズ日本語史4日本語史のインタフェース』岩波書店(共編著、2007)
概説・一般書
『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店(2003);『マンガの中の他者』臨川書店(共著、2008)

教授 岡島昭浩

おかじま あきひろ
1961年生。1987年、九州大学大学院文学研究科博士後期課程中退。文学修士(九州大学、1986年)。九州大学文学部助手、京都府立大学女子短期大学部講師・助教授、福井大学教育学部(教育地域科学部)助教授、本研究科助教授・准教授を経て2010年現職。
専攻:国語学
研究紹介
日本における漢字音の歴史、漢字音研究の歴史について研究することを足がかりにして、国語音韻史、日本語学史、辞書史についても研究している。なお「日本語学史」は、日本語研究の歴史と、日本における言語研究の歴史を合わせた呼び名のつもりである。また、研究とは言えないような、言語に関する意識の歴史をも含めて考えたいと思っている。
メッセージ
過去から現代まで伝わって来たものを、我々は後世に伝えて行けるだろうかと不安になることがある。見出した資料が複写されることもなく天下の孤本として存在しているのを見たり、長く閲覧する人の居なかった書物であれば他所にあろうとなかろうと棄ててよいという意見を聞いたりする時である。文学研究に志す人も、よいものだけ伝えればよいと思うのではなく、多くの情報を伝えるよう考えて欲しい。ホームページはhttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/
主要業績
『シリーズ日本語史2語彙史』(岩波書店2009、共著);「半濁音名義考」『筑紫語学論叢』(風間書房2001);「江戸期韻学における音韻日月燈」『明清時代の音韻学』(京都大学人文科学研究所2001);「漢語資料としての詩学書」(『語文研究』86・87 1999); 「武家共通語と謡曲」(『雅俗』3 1996)
概説・一般書
「元禄の辞書」(『元禄文学を学ぶ人のために』世界思想社2001)

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