日本史学(日本史講座)

本講座では、古代1・中世1・近世1・近代2(助教1)の計5名の教員を揃え、充実した研究・教育活動を行っています。近年の日本史研究の高度化はめざましいものがありますが、私たちは演習での厳密な資史料の読解や論文の検討を通して、実証力や構想力の養成に努めています

また定期的に院生発表会を行って、時代や分野を超えた幅広い視座の養成に配慮しています。研究室では自主的な勉強会が盛んに行われ、学会活動も活発です。春と秋には研究室旅行があり、フィールドワークに汗を流し、夜のコンパでは賑やかにお酒を酌み交わしています。研究室のこの厳しく和やかで開放的な雰囲気は、今後とも大切にしたいものです。

写真:研究室旅行(2001年 香川県歴史博物館)古文書を見学する院生・学生たち

教員紹介

教授 平雅行

たいら まさゆき
1951年生。1981年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。文学博士(大阪大学)。京都橘女子大学、関西大学、大阪大学准教授を経て1996年1月より現職。
専攻:日本中世史/古代中世仏教史
研究紹介
主な研究テーマは、法然・親鸞・浄土教の思想史的研究、仏教と女性差別や肉食禁忌の社会史研究、中世国家の宗教政策論。近年は東国鎌倉における旧仏教の展開を実証的に復元して、幕府=禅宗観をくつがえそうとしている。
メッセージ
先鋭な問題意識を抱いた若き友人たちと、熱く激しい議論を交わすことを望んでいる。
主要業績
『日本中世の社会と仏教』(塙書房、1992年);『周縁文化と身分制』(共編著、思文閣出版、2005年);『日本史講座4』(共著、東京大学出版会、2004年);『日本通史 中世2』(共著、岩波書店、1994年);『アイデンティティ・周縁・媒介』(共著、吉川弘文館、2000年);「鎌倉山門派の成立と展開」(『大阪大学大学院文学研究科紀要』40巻、2000年)
概説・一般書
『親鸞とその時代』(法蔵館、2001年);『概説日本歴史』(共著、吉川弘文館、2000年);『中世寺院の姿とくらし』(共著、山川出版社、2004年);『日本歴史大事典』全4巻(共編著、小学館、2001年);『日本史B』(共著、実教出版社、2004年)

教授 村田路人

むらた みちひと
1955年生。1977年、大阪大学文学部史学科卒業。1979年、大阪大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。1981年、大阪大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程中途退学。文学博士(大阪大学、1994年)。大阪大学文学部助手、京都橘女子大学文学部専任講師、同准教授を経て、1996年4月、大阪大学文学部准教授。1999年4月、大阪大学大学院文学研究科准教授。2002年4月、大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:日本近世史
研究紹介
日本近世における支配の特質の解明に努めている。特に、畿内近国地域を対象として、支配の実現メカニズムという観点から、非武士身分の者の支配への関与、民意確認のシステム、触の伝達経路などを明らかにし、従来とは異なる近世支配像の提示を行いつつある。また、『新修豊中市史』・『大阪狭山市史』等の編纂委員を務め、自治体史編纂に携わっている。
メッセージ
大学院を目指そうとする人は、当然旺盛な研究意欲をもっているはずだが、それ以外に求められるのは、こだわりと粘り強さである。先行研究の方法・枠組みにとらわれず、徹底的にこだわり続けることで、新たに見えてくるものがあるはずである。
主要業績
『近世広域支配の研究』(大阪大学出版会、1995年);「享保の国分けと京都・大坂町奉行の代官支配」(大阪大学文学部日本史研究室編『近世近代の地域と権力』、清文堂出版、1998年);「近世の地域支配と触」(『歴史評論』587号、1999年);「非領国地域における鳴物停止令?触伝達の側面から?」(大阪市史編纂所編『大阪の歴史』56号、2000年);「幕府上方支配機構の再編」(大石学編『日本の時代史16 享保改革と社会変容』、2003年)「寛永後期北河内地域の触と触留帳」(『枚方市史年報』8号、2005年)
概説・一般書
脇田修編『近世の寝屋川』(寝屋川市教育委員会発行、1982年〔共著〕);豊能町史編纂委員会編『豊能町史』本文編(豊能町発行、1987年〔共著〕);新修大阪市史編纂委員会編『新修大阪市史』第4巻(大阪市発行、1990年〔共著〕);後藤靖・田端泰子編『洛東探訪?山科の歴史と文化?』(淡交社、1992年〔共著〕);京都橘女子大学女性歴史文化研究所編『枚方の女性史 伝えたい想い』(枚方市発行、1997年〔共著〕);羽曳野市史編纂委員会編『羽曳野市史』第二巻本文編2(羽曳野市発行、1998年〔共著〕);藤本篤監修『江戸時代人づくり風土記27・49大阪 見る・読む・調べる 大阪の歴史力』(農山漁村文化協会、2000年〔共編著〕);今井修平・村田路人編『街道の日本史33 大坂―摂津・河内・和泉―』(吉川弘文館、2006年〔共編著〕)

准教授 飯塚一幸

いいづか かずゆき
1958年生。1988年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。文学修士(京都大学、1985年)。舞鶴工業高等専門学校専任講師、佐賀大学准教授を経て、2007年4月より現職。
専攻:日本近代史
研究紹介
近代化による地域社会の変容を様々な視点から検討することで、伝統と近代の問題を研究している。特に、地方政治の担い手であった地方名望家について、欧米起源の諸学を近代日本に導入する際に果した役割などにも着目しながら、多角的に分析している。また、近年は士族反乱や自由民権運動に関する研究にも手を広げている。
メッセージ
新しい発想で史料と格闘し、問題を徹底的に考え抜く気迫を持った若い世代が登場してほしい。我々も「昭和の老人」扱いされぬよう自戒しつつ、皆さんを待っている。
主要業績
『近代日本の政党と官僚』(共著、東京創元社、1991年);『近代日本の軌跡3 日清・日露戦争』(共著、吉川弘文館、1994年);『日本近代国家の形成と展開』(共著、吉川弘文館、1996年);『田中秀央 近代西洋学の黎明━━『憶い出の記』を中心に━━』(共編著、京都大学学術出版会、2005年);「国会期成同盟第二回大会の再検討」(『九州史学』第143号、2005年);『小城鍋島家の近代』(編著、佐賀大学文系基礎学研究プロジェクト、2005年)
概説・一般書
『京都府の歴史』(共著、山川出版社、1999年);アエラムック『日本史がわかる。』(共著、朝日新聞社、2000年);『佐賀県議会史 続二』(共著、佐賀県議会、2002年);『宮津市史 通史編下巻』(共著、宮津市、2004年);『新聞でみる鳥栖の変遷1』(編著、鳥栖市、2006年)

准教授 市大樹

いち ひろき
1971年生まれ。2000年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学博士(大阪大学、2001年)。奈良文化財研究所研究員を経て、2009年4月より現職。
専攻:日本古代史
研究紹介
学生・院生時代は、主に交通史の観点から古代地方支配の研究をおこなってきた。奈良文化財研究所に入所した後は、古代都城の発掘調査とそこから出土した木簡整理を日常業務とし、特に飛鳥・藤原地域出土の7世紀木簡の研究に力を注いできた。木簡は断片的な記載しかないが、木簡の出土遺跡や遺構を踏まえ、その周辺の発掘調査成果に目配りをし、日本書紀をはじめとする文献史料と照らし合わせることで、輝きを増してくる。当面は都城制・木簡を切り口にして、文献史学と考古学を融合させた学問をめざしていきたい。
メッセージ
日本古代史では、相対的に数の少ない史料を突き詰めて読み込む作業、膨大な研究史を吸収・理解することが求められます。こうした孤独な営みを支えるのは、旺盛な知的好奇心である。さまざまな研究分野の人たちと交流してほしい。
主要業績
『評制下荷札木簡集成』(編著、東京大学出版会、2006年)、『飛鳥藤原京木簡1-飛鳥池・山田寺木簡-』(編著、吉川弘文館、2007年)、『飛鳥藤原京木簡2-藤原京木簡1-』(編著、吉川弘文館、2009年)、「日本古代伝馬制度の法的特徴と運用実態-日唐比較を手がかりに-」(『日本史研究』544号、2007年)、「大宝令施行直後の衛門府木簡群-藤原京跡左京七条一坊出土木簡の基礎的考察-」(『木簡研究』29号、2007年)
概説・一般書
『奈良の寺』(共著、岩波書店、2003年)、『続明日香村史 上巻』(共著、明日香村、2006年)、『奇偉荘厳 山田寺』(共著、奈良文化財研究所飛鳥資料館、2007年)、『大化改新 古代国家誕生』(共著、新人物往来社、2008年)、『古代地方木簡の世紀』(共著、サンライズ出版、2008年)

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