西洋史学(世界史講座)

この専門分野では、古代オリエント・地中海世界、中世・近代のヨーロッパ世界、また近代の南北アメリカやオセアニア、アジア、アフリカの植民地などヨーロッパ人の進出によって形成された諸世界の歴史を対象とするのですが、それらの歴史の中の諸現象を個別に考察するだけでなく、世界史の中に位置づけることを重視しています。院生の皆さんには自力で高度な研究を目指す自立心と、研究室共同体での相互批判から学ぶ開かれた精神が求められます。この専門分野では創設以来、多数の優れた研究者を送り出してきました。またここで学んだ後、西洋史研究以外の世界に進む人もいます。研究に困難はつきものですが、関心があるならば挑戦してみませんか。

教員紹介

教授 江川溫

えがわ あつし
1950年生。京都大学大学院文学研究科博士課程(西洋史学専攻)中退。文学修士(京都大学、1977年)。大阪大学助手、同講師、同助教授を経て1996年、教授。2004年4月より2009年9月まで放送大学客員教授。2008年4月より2010年3月まで文学研究科長。
専攻:西欧中世史
研究紹介
11、12世紀の教会による平和運動の研究が出発点となり、その研究を継続する一方で、中世盛期、末期のフランス国制、貴族社会、都市社会、民衆文化とキリスト教など多くのテーマに関心を広げてきた。現在は西洋史学専門分野の他に共生文明論コースでも教えている。研究に当たっての志について一言言えば、平板な進歩主義の偏見を覆し、前近代人を私たちの隣人として理解すること、またヨーロッパ文明をその中世的基礎から捉え返すことである。
メッセージ
私は今も学生気分が抜けない。もちろん幾分かは悪い意味でそうであり、反省することしきりである。しかしまんざら悪い面ばかりでもないと思っている。学生諸君と親しい友人でありたいと思うが、学生諸君は油断のならないライバルであるとも思っている。そして最近は、自分にあまり長い時間が残されていないと思うようになった。大学院の学生と同様に、限られた時間で何ができるかを考える。遅れをとるわけにはいかない、とも。
主要業績
「“神の平和”運動と12世紀カペー王権」『史林』62巻1号、1979年1月;「見よ、この種にしてこの草あり―12世紀北仏貴族の親族・祖先意識―」前川和也編『家族・親族・世帯―工業化以前の世界から』ミネルヴァ書房、1993年4月;『西欧中世史(中)』、『西欧中世史(下)』(いずれも共編著)ミネルヴァ書房、1995年11月);『岩波講座世界歴史8ヨーロッパの成長』(編著)岩波書店、1998年3月;『死の文化誌―心性・習俗・社会―』(共編著)昭和堂、2002年10月。
概説・一般書
「王権の基礎―クロヴィスの洗礼から聖別式のランス定着まで―」「ユリの花と十字架と―中世盛期、末期の王権と聖ド二崇敬―」田辺保編『フランス学を学ぶ人のために』、世界思想社、1998年8月;「中世ヨーロッパ世界」近藤和彦編『西洋世界の歴史』、山川出版社、1999年9月;「ユーラシア西方の再編―ヨーロッパ世界の芽ばえ」、「ユーラシア西方の変貌」、『新編高等世界史B新訂版』、帝国書院、2003年1月;『ヨーロッパの歴史』(編著)放送大学教育振興会,2005年3月。

教授 竹中亨

たけなか とおる
1955年生。1983年、京都大学大学院文学研究科博士課程退学。文学博士(京都大学、1994年)。東海大学講師、同助教授、大阪大学教養部助教授を経て、1995年より現職。
専攻:西洋史学
研究紹介
西洋近代に対して、人びとが歴史的にどのような応答をしてきたのかに関心があります。そこで、(1)西洋という土俵でこの関心を追求することを考え、具体的には反近代主義の研究を行っています。とりわけ、宗教的エネルギーがどういう役割を果たしたのかに関心をもっています。(2)近代日本と西洋という形で、問題を具体化しています。具体的には、明治日本における洋楽の受容を研究しています。西洋からの異質な文物に人々がどういう反応を示したかが焦点です。
メッセージ
たしかに歴史学は過去を対象にした学問ですが、現在への関心なしには研究は不可能です。過去への眼差しをとぎすませることで、21世紀の現代を理解する能力が高まります。生き生きした感受性と論理的な思考を備えた若い人と勉強したいと念じています。
主要業績
『ジーメンスと明治日本』東海大学出版会(1991);『近代ドイツにおけ る復古と改革― 第二帝政期の農民運動と反近代主義』晃洋書房 (1996);『帰依する世紀末― ドイツ近代の原理主義者群像』ミネル ヴァ書房(2004);Zukunft der Demokratie in Deutschland, Opladen(共著、2001)
概説・一般書
『西洋史30講』東海大学出版会(共著、1984);『ドイツの歴史──新ヨーロッパ中心国の軌跡』有斐閣(共著、2000)

教授 秋田茂

あきた しげる
1958年生。1985年、広島大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)(大阪大学)2003年。大阪外国語大学外国語学部助手、同 講師、同助教授を経て、2003年10月より現職。
専攻:イギリス帝国史、アジア国際関係史
研究紹介
イギリス帝国史、グローバルヒストリーを専攻。19-20世紀のイギリス史を帝国・コモンウェルスとの関係から研究してきた。特に、南アジア、東アジア諸地域と近現代イギリスとの関係を、政治外交史と経済史の両面から研究している。最近は、(1)「長期の18世紀」の再考と現代の「東アジアの経済的再興」の歴史的考察、(2)近現代ユーラシアの比較大国論、(3)1950-60年代のアジア国際秩序と経済援助計画など、関係史の視点からグローバルヒストリーの構築に取り組んでいる。また、日英歴史家会議、日韓英国史フォーラムなどの国際交流にも従事している。
メッセージ
グローバルな視点をもって、前向きに、新しい世界史を考える人を応援したいと思います。現在、世界中の学界においてグローバルヒストリー研究が議論されており、大阪大学もその有力な研究拠点の一つとして注目されている。グローバルに展開する研究ネットワーク、特に2009年に設立されたアジア世界史学会(AAWH)などを通じて海外への情報発信をめざしたい。また、大阪大学歴史教育研究会の活動などを通じて、研究成果を社会に問いたい。
主要業績
『1930年代のアジア国際秩序』溪水社(共編著、2001); Gentlemanly Capitalism, Imperialism and Global History (編著、London and New York: Palgrave, 2002);『現代南アジア6 世界システムと ネットワーク』東京大学出版会(共編著、2003);『イギリス帝国と アジア国際秩序』名古屋大学出版会(2003);『イギリス帝国と20世 紀 1 パクス・ブリタニカとイギリス帝国』ミネルヴァ書房(2004); International Order of Asia in the 1930s and 1950s (編著、 London and New York: Ashgate, 2010)

教授 藤川隆男

ふじかわ たかお
1959年生。大阪大学大学院文学研究科前期課程修了。文学修士(大阪大学)、MA(ANU)。帝塚山大学教養学部講師、同助教授、大阪大学文学部助教授を経て現職。
専攻:西洋史、とくにオーストラリアの歴史
研究紹介
オーストラリアの歴史を主に研究しています。『パスポートの発明』という本を翻訳して以来、最近は昔やっていた移民制限の歴史に再び取り組みはじめました。また、「白人」の歴史的な成立に関する研究も行っています。現在、『白人とは何か?』に続く本を用意しています。研究ではないのですが、ネット上で動くオーストラリア辞書(日本語)やオーストラリアの失われた地名辞典(英語)の作成も行っています。
メッセージ
オーストラリアの研究を志す人を求めています。入学を希望する人は気軽に連絡してください。また、人種・ジェンダー・階級の関連を歴史的に考えたいと思っているような人も研究室に連絡して下さい。これまで研究してきた分野は問いません。歴史学を研究してきた人も、人類学を研究してきた人も、社会学を研究してきた人も大歓迎です。『猫に紅茶を』は猫の本でも、紅茶の本でもなく、オーストラリア史の本です。
主要業績
『パスポートの発明』(監訳)法政大学出版局、2008;『空間のイギリス史』(編著)山川出版社、2005、pp.3-11,pp.57-69;「ジェントルウーマン・ダウンアンダー」『ジェントルマンであること』刀水書房、2000、pp.146-169;「オーストラリアにおけるアイルランド系移民」『岩波講座世界の歴史19巻 移動と移民』岩波書店、1999、pp.87-108;「移住する先住民」『先住民と都市』青木書店、1999、pp.24-40
概説・一般書
「オーストラリア史」『オセアニア史』山川出版社、2000、pp.78-167;『オーストラリア歴史の旅』朝日選書407、pp.1-265;『オーストラリアの歴史』(編著)有斐閣、2004;『白人とは何か?』(編著)刀水書房、2005、pp.1-57;『猫に紅茶を』大阪大学出版会、2007

准教授 栗原麻子

くりはら あさこ
1968年生。1995年、京都大学大学院文学研究科博士課程(西洋史学専攻)指導認定のうえ退学。博士(文学)(京都大学、1998年)。日本学術振興会特別研究員、奈良大学講師を経て、2004年10月より現職。
専攻:古代ギリシア史
研究紹介
ギリシア民主制についての研究は、民会のような政治の場での男性市民の活躍に目を向けがちです。それにたいして、家族愛や友愛といった私的な絆に囲まれた個人の側から、ポリスの共同体性を問いなおし、アテナイ政治史を読み替えるのが、当面の目標です。より具体的には、復讐意識と共同体性の関係を、法の運用の場である民衆法廷での言説をターゲットにして探っています。
メッセージ
歴史学は、古を知ることで現在を知る学問です。ひとつには、他文化を知ることで自己を反省するといった意味において。いまひとつには、我々を規定している西洋的な思考を、その源流から眺めるという意味において。古代ギリシア人の心の風景にできるだけ近づいて、彼らの声に耳を傾けてみませんか。
主要業績
“Personal Enmity as a Motivation in Forensic Speeches”,in: Classical Quarterly, 53-2, 2003;「紀元前415年のアンドキデ ス」『西洋古典学研究』48巻(2000);「獲得されるものとしての 親族関係―前4世紀におけるソロンの遺言の法の運用をめぐって ―」歴史学研究会編『地中海世界史 第5巻 社会的結合と民衆運動』 青木書店(1999);「古典期アテナイにおけるフィリアと共同体」『史林』78-4(1995);「前4世紀アテナイの親族関係―イサイオ スの法廷弁論を中心に」『史林』76-4(1993)。
概説・一般書
南川高志・山辺規子編『大学で学ぶ西洋史〔古代・中世〕』ミネルヴァ書房(共著、2006);奈良大学文学部世界遺産コース編『世界遺産と都市』風媒社(共著、2001);『歴史のなかのジェンダー』藤原書店(共著、2001);G・デュビィ,M・ペロー監修『女の歴史I古代1』藤原書店(共訳、2000)。

准教授 中野耕太郎

なかの こうたろう
1967年生。1994年、京都大学文学研究科博士後期課程(西洋史学専攻現代史学)中退。文学修士(京都大学、1993年)。日本学術振興会特別研究員、大阪市立大学助手、同講師、同助教授を経て、2007年10月より現職。
専攻:アメリカ現代史
研究紹介
アメリカにおける国民形成の歴史を研究しています。国民という捉えどころのない実体を、様々な角度から分析の光を当てることで立体的に炙り出せないかと苦心しています。移民に対する排外思想や国民統合論に注目するだけでなく、同時代の国際主義との関係や、外国系住民の側の国民観、さらには人種的境界の構築の検討を含めた複眼的アプローチによって、ひとつの世界史・社会史としての「アメリカ」を論じるのが目標です。
メッセージ
歴史学は問題発見の学問だと思います。過去を学び、過去を知ることは、今現在、私達が生きている社会の性格を知り、埋もれて見えにくい様々な課題に気付くこととも直結しています。若い世代の皆さんと刺激しあいながら、過去を語り、現在を考えたいと思います。
主要業績
“Preserving Distinctiveness: Language Loyalty and Americanization in Early Twentieth Century Chicago,” Proceedings of the Kyoto American Studies Summer Seminar, 2000(2001);「新移民とホワイトネス― 20世紀初頭 の『人種』と『カラー』」川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』 名古屋大学出版会(2005年);「祖国ナショナリズムとアメリカ愛 国― シカゴのポーランド移民」樋口映美、中條献編『歴史のなか の「アメリカ」― 国民化をめぐる語りと創造』彩流社(2006年);「『アメリカ史』叙述のグローバル化」『パブリック・ヒストリー』 第6号(2009年)。
概説・一般書
「『新移民』―その人種・エスニック意識」アメリカ学会編『原典アメリカ史―社会史史料集』岩波書店(2006年);「改革の時代とふたつの世界大戦1898~1945年」有賀夏紀、紀平英作、油井大三郎編『アメリカ史研究入門』山川出版社(2009年)。

このページのトップへ

大学院専門分野・コース紹介一覧に戻る

受験生の方へ
ご挨拶
沿革
文学部特色
大学院特色
学部専修紹介
大学院専門分野・コース紹介
学部アドミッション・ポリシー
大学院アドミッション・ポリシー
博士号・修士号
取得できる免許・資格
卒業生・修了生の進路*
学部説明会
学部入試情報
大学院入試情報
アクセス案内
在学生の方へ
学部専修紹介
大学院専門分野・コース紹介
シラバス・時間割*
マイハンダイ**
学習支援
奨学金情報*
就職・進路
留学
留学生支援
博士号・修士号
セクシュアル・ハラスメント相談*
院内限定サービス
教職員の方へ
トピックス
COE*
研究推進室*
教育支援室*
国際連携室*
マイハンダイ**
院内限定サービス
Prospective international students
History
Admission Policies
Undergraduate programmes
Graduate programmes
Archaeological heritage on campus
Academic support
Financial matters
Graduate school application procedure
General information**
Erasmus Mundus*