哲学哲学史(哲学講座)
本専門分野は、第一に、厳密な文献読解にもとづく西洋近代哲学の古典研究を大きな柱としています。その上で、第二に、現代哲学の諸問題にも積極的に取り組んでいます。
第一の柱については、スピノザやデカルトを始めとする近世哲学、カントやフィヒテ、ヘーゲルといったドイツ古典哲学を研究の中心としています。第二の柱については、公共性や平和の問題にかかわる社会哲学、クワインやデイヴィドソンに代表される英米系の分析哲学、言語哲学、認識論、またラカンやドゥルーズなどの現代フランス哲学を研究の中心にしています。
大学院生には積極的に海外留学を勧めており、実際に多くの学生が留学を経験しています。また、現代思想文化学専門分野と連携して、和文および欧文の研究誌を発行し、研究例会を開くとともに、外国人研究者を招き特別講演会を開催しています。「世界哲学の日」(11月中旬~下旬)に開かれる記念イヴェントも、専門分野のかかわる大きな催し物のひとつです。
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教員紹介
教授 上野修
教授 入江幸男
准教授 舟場保之
教授 上野修
うえの おさむ 1951年生。1982年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。文学修士(大阪大学)。大阪大学助手、山口大学助教授、同 教授を経て、2004年4月から現職。
専攻:哲学哲学史
研究紹介
「合理主義哲学」と呼ばれている十七世紀の哲学とは何だったのか。これがメインの研究。 私は当時の、デカルト、ホッ ブズ、スピノザ、ライプニッツといった知的冒険者たちのラジカルな問いを、今日への問い直しとしてよみがえらせようと 試みています。それと平行して、自分のことを間違いなく「私」と指すことのできる存在、「主体」 について、なぜそん なものができあがるのかを、現代の精神分析理論や言語の哲学と関わらせて研究しています。
メッセージ
おびただしい新刊書を見ていると、百年後、このうちのどれだけが残っているだろうかと考えてしまう。その点、古典はす ごい。たとえばデカルトの『省察』のごとき大昔のテキストが、まだまだ消費し尽くされずに、残っている。それは、そう 簡単に分ったと言わせない何かがあるからです。「哲学史」と言いますが、「ああそれね」と分るような話は実はどうでも よくて、今も分らないその問題的な何かだけが、哲学研究のフィールドなのです。もちろん、現代の哲学的議論に鈍感で は問題は嗅ぎ分けられません。
主要業績
Spinoza: puissance et ontologie (共著、Editions Kimé, 1994); 『スピノザと政治的なもの』(共著、平凡社 1995);『精神の眼は論 証そのもの―デカルト、ホッブズ、スピノザ』(学樹書院 1999); Spinoza by 2000, The Jerusalem Conferences, Volume III, Desire and Affect: Spinoza as Psychologist (Ethica III) (共著、Little Room Press, 1999);『真理の探究―17世紀 合理主義の 射程』(共著、知泉館、2005);『ドゥルーズ/ガタリの現在』(共著、平凡社、2008)
概説・一般書
『哲学基本事典』(共著、富士書店 1992);『西洋哲学史〔近代編〕』 (共著、ミネルヴァ書房 1995);『哲学者たちは授業中』(共著、 ナカニシヤ出版 1997);『スピノザの世界―神あるいは自然』(講談社 2005);『スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか』 (NHK出版、2006);『現代倫理学事典』(共著、弘文堂、2006)
教授 入江幸男
いりえ ゆきお 1953年生。1983年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。文学博士(大阪大学)。大阪大学助手、大阪樟蔭女子大学講師、 同助教授、大阪大学助教授を経て、2003年10月から現職。
専攻:哲学哲学史
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研究紹介
言語やコミュニケーションの研究、とりわけ問答関係についての論理学、意味論、語用論の研究を行なっています。これ を基礎にして、何が存在するのか、認識はいかにして可能か、心と脳はどう関係しているのか、などの理論哲学、また 人格論、自由論、道徳論、社会存在論などの実践哲学を展開したいと考えています。 他方哲学史の研究としては、こ れまでドイツ観念論の研究、特にフィヒテ哲学の研究を行なってきましたが、これからは現代の分析哲学にドイツ観念論か ら貢献する可能性を追求したいと考えています。
メッセージ
グローバル化の時代の中で、これまでの西洋哲学史研究の蓄積は、ヨーロッパという地域文化の研究として理解される ようになってきました。しかし、「哲学」 が普遍的な学問を目指すのならば、他方でグローバルな視点での取り組みが必 要になります。その一つは、普遍的なあるいは抽象的な哲学問題への自前の取り組みから出発することであり、もう一つ は、グローバルな社会問題や文化問題への関心から西洋思想史に新たな光を当てるという仕事になるだろうと思います。 日本の哲学研究は大きな変革期にあります。
主要業績
『ドイツ観念論の実践哲学研究』弘文堂(2001);“Dialektik und Entschluss bei Fichte”(Fichte-Studien Bd. 5, Editions Rodopi, 1993);「問と物語」(『哲学』第46号、1995);「発話伝 達の不可避性と問答」(『大阪大学文学部紀要』第43巻、2003);「知 を共有するとはどういうことか」(『メタフュシカ』大阪大学哲学 講座発行、37号、2007);共著『グローバルエシックス』ミネルヴァ 書房(2009);“A Proof of Collingwood’s Thesis”(Philosophia Osaka, Nr. 4, Published by Philosophy and History of Philosophy / Studies on Modern Thought and Culture, Graduate School of Letters, Osaka University, 2009)
概説・一般書
共著『現代思想のトボロジー』法律文化者(1991);共著『西洋哲 学史 近代篇』ミネルヴァ書房(1995);共著『現代哲学の潮流』 ミネルヴァ書房(1996);共著『哲学者たちは授業中』ナカニシヤ 出版(1997);共編著『ボランティア学を学ぶ人のために』世界思 想社(1999);共編著『コミュニケーション理論の射程』ナカニシ ヤ出版(2000);共著『ドイツ観念論を学ぶ人のために』世界思想 社(2005)
准教授 舟場保之
ふなば やすゆき 1962年生。1992年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。文学博士(大阪大学)。立命館大学嘱託講師を経て、2004年4月から現職。
専攻:哲学哲学史
研究紹介
18世紀末に始まるいわゆるドイツ観念論の先駆者であって、現代哲学においてもなお多大な影響を及ぼし続けるイマヌ エル・カント(1724-1804)を研究しています。 言うまでもなく、200年以上も前の哲学が全面的に正しいわけではなく、 カントは 「時代の子」 でもあります。したがって、カントを批判的に受容・継承する現代ドイツを代表する哲学者であるユ ルゲン・ハーバーマスやカール=オットー・アーペルらのコミュニケーション論を手がかりに、カント哲学と現代の問題との つながりを模索しています。
メッセージ
現在、啓蒙主義や原理原則主義の評判はあまり芳しくありませんが、しかしこれらがいまだかつて徹底されたことのない 言説空間においては、その有効性はなお疑う余地がないと思います。では、どのような形でこれらに妥当性をもたせるこ とができるのかという問題を、カントやカント的な現代思想を手がかりに考えてゆきたいと思います。その際、哲学オタク に陥ることなく、かつある種のポピュリズムにも迎合しないようなスタンスを維持しなければならないと考えています。
主要業績
『グローバル・エシックスを考える― 「九・一一」後の世界と倫 理』(共編著、梓出版 2008);「『論証すること』と第三アンチノ ミー」(長倉、加藤、大橋編『超越論的批判の理論』、晃洋書 房 1999);「ハーバーマスとロールズ その論争は不発だったの か」(永井、日暮編『批判的社会理論の現在』、晃洋書房 2003);「カントにコミュニケーション合理性を読み込む可能性について」 (御子柴、檜垣編『理性への問い』、晃洋書房 2007)
概説・一般書
『哲学基本事典』(共著、富士書店 1992);『カント事典』(共著、弘文堂 1997)
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