留学生専門教育担当教員紹介

留学生専門教育講師 鄭聖汝

ちょん そんよ
1957年生。神戸大学大学院文化学研究科博士後期過程修了1999年。博士(学術)神戸大学1999年。日本学術振興会外国人特別研究員(大阪大学)を経て現職。
専攻:言語学/韓国語学、日本語学
研究紹介
他動詞文の目的語の性質として、日本語は有生か無生かによる区別をしているのになぜ韓国語はしないか。この疑問は私の研究の原点でした。たとえば、「乾かす」と「歩かせる」は、韓国語では同じ形式で表されます。しかし、それだけにとどまらず、使役形と受身形も同じであり、さらに、自動詞と他動詞にも同じ形式が用いられます。したがって、私の関心はおのずと、使役、受身、自動詞、他動詞のすべての文法範疇がどのように繋がっているのか、という問題を突き止める方向へと進んでいたのです。現在は、再び研究の原点に戻って、対格言語における能格性の問題を真剣に考えています。
メッセージ
言語研究は必然的に(類型論的研究も含めて)対照研究の視座を要求すると私は思っています。それを前面に出して主張しようと、背景に隠していようと、他言語の現象を考慮せずには説明の範囲が狭くなる可能性が高いからです。また、言語はよく当該言語の論理で自己完結していると言われます。もちろんそれを否定するつもりはありません。ただし、他言語から見た場合その現象が説明を要求するものなのに自己論理だけを考えると見逃してしまうこともある、ということは忘れてはなりません。一つ例を挙げますと、母語話者による日本語研究では、「失神した子供を立てた」と言えないのは、日本語の語彙における偶然のギャップであると考えられてきました。しかし、韓国語からみるとこの言い方は可能ですし、他にも言える言語があります。すると、日本語はなぜこのような(必然的な)ギャップが起こり、またそれはどのような制約によるものなのか、を説明しなければならなくなる問題となってしまうのです。
主要業績
「規範的使動構文と非規範的使動構文」Language Research 41-1 Language Research Institute Seoul National University (2005);『韓日使役構文の機能的類型論研究―動詞基盤の文法から名刺基盤の文法へ―』くろしお出版 (2006); "On Grammaticalization of Motion Verbs: A Japanese-Korean Comparative Perspective" Naomi Hanako McGloin and Junko Mori (eds.) Japanese/Korean Linguistics 15, CSLI Publications & SLA: California (2007、共著);「大阪城は誰が建てたか?―使役連続性を超えて:日韓対照の観点から―」『神戸言語学論叢:西光義弘教授還暦記念号』5 (2007);「使役と受身の曖昧性はどこからくるか?―韓国語の動詞接辞 -i/ -hi/ -li/ -ki の機能を求めて―」『大阪大学大学院文学研究科紀要』48 (2008)

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