大阪大学文学部は礎となった懐徳堂の精神を継承し、「社会に開かれた学部」という精神のもと、他大学、他学部の学生、社会人に対しても門戸を開いています。
専門性の高い授業を聴きたいという他大学、他学部の学生に対しては、文学部が開講している授業のうち一定の範囲のものを聴講でき、大学図書館を利用できる科目等履修生制度があります。原則として大学または短期大学での2年以上の在学経験が必要で、授業科目ごとに申請し、許可が得られると履修が認められ、最終的には単位も認定されます。
研究生になるには大学卒業資格が必要であり、希望者は指導予定教員を通じて申請し許可を受けます。研究生になると自分の研究に関連のある文学部の授業を自由に聴講することができます。
大阪大学豊中キャンパスのある待兼山は、古来、歌詠みの題材となった由緒あるところです。
夜を重ね待兼山の時鳥
雲井のよそに一声ぞ聞く
これは「新古今和歌集」に収められた一首ですが、この「まちかねやま」のくだりは、後世、歌舞伎の台詞などにも数多く引用されました。
時は移り、待兼山は大阪大学のキャンパスとして、現在では20もの多彩な専修を設置する全国屈指の文学部と、法学部、経済学部など他学部、その他研究機関を擁する広大な教育・研究の場となりました。
選び抜かれたカリキュラムは、1?2年次の全学共通教育科目と、2?4年次の専門教育科目とによって編成されています。
全学共通教育科目は文学部の場合、必修36単位、選択2単位以上、計38単位以上を修得することになっています。必修36単位のうちで主要なものは、言語・情報教育科目22単位で、うち外国語教育科目は20単位を占めています。主題別教育科目6単位は、「文化と交流」「環境と人間」「科学と自然」の3主カテゴリのもとに約30科目を用意しています。専門基礎教育科目4単位は、「哲学基礎」「アジア史学基礎」「英語学の基礎」「芸術の始まり」「日本学基礎」など約50科目を用意しています。この他にも人間教育科目・基礎セミナーなどがあります。
これらの中でも、特に大きな比重を占めているのは外国語です。第1外国語8単位、第2外国語8単位、選択外国語4単位を履修しなければなりません。第1外国語は原則として英語です。第2外国語はドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語のなかから1つを選択します。選択外国語は上記5外国語とラテン語、ギリシャ語、イスパニア語、朝鮮語の計9外国語から1つを選択します。
学生のみなさんは1年次2学期に、自分が進む専修を決定します。その参考となるように、1年次1学期に「文学部共通概説」が開講されています。これは30名余りの文学部の教員が交代で、それぞれ自分の研究や専修の概要について話をする、ガイダンス的色彩の濃い授業です。専修決定は、学生の希望通りに行われるのが原則ですが、希望者が多すぎて専修の基準数を越えた場合には試験が実施されます。
2年次からは各専修に分かれて、専門教育科目を本格的に履修することになります。文学部では必修30単位、選択48単位以上、卒業論文10単位、合計88単位以上を修得しなければなりません。
専門教育科目は、講義、演習のいずれかの形態をとっています。
卒業論文は4年間の大学生活の総括であるばかりか、一人ひとりの青春の記念碑でもあります。担当教員の指導のもと自分のテーマを設定し、データを収集してそれを整理・分析し、自分独自の視点から問題を論じて卒業論文を仕上げます。完成に至るには辛く苦しい道程が続きますが、この苦しさを存分にエンジョイしながら、取り組んでください。自分が誰で、どういう考えをもった人間であるのかが、見えてくるはずです。
文学部では通常の教育・研究活動の他に特別な組織、制度に基づいた活動を行っています。
国際学術交流を円滑にするためにこのセンターを設けています。また学部、大学院に学ぶ外国人留学生に助言、助力するために留学生相談室を設置しています。
カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)、コーネル大学(アメリカ)、ワシントン大学(アメリカ)、オーストラリア国立大学(オーストラリア)、クイーンズランド大学(オーストラリア)、モナッシュ大学(オーストラリア)、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)、ケルン大学(ドイツ)、チュラロンコン大学(タイ)、釜山大学校(大韓民国)、延世大学校(大韓民国)、上海交通大学(中国)、西安交通大学(中国)、北京大学(中国)、復旦大学(中国)、グルノーブル大学連合(フランス)、ストラスブール大学連合(フランス)、ルーヴァンカトリック大学(ベルギー)、モンゴル大学(モンゴル)などと学術交流協定を結び、研究者、学生の研究交流を図っています。
大学院学生のうち、適切と認められた場合は国立民族学博物館、国際日本文化研究センター等において教育を受け、研究することができます。
江戸中期より明治初年まで大坂で栄えた町人の学問所「懐徳堂」を記念して設けられました。この会は懐徳堂文庫の管理にあたり、また庶民の学問の伝統を受け継いで、機関紙「懐徳」(年刊)の刊行、公開講座、シンポジウム、見学会等を開催しています。文学部に事務局がありますが、学内外の支援を得て運営されています。
文学研究科・文学部の付属施設として懐徳堂センターがあります。本館4階には展示室を設け、常設展や特別展を開き、文学研究にかかわる調査研究を進めることにしています。
教員、卒業生、大学院学生、文学部学生によって構成される会で、会員の研究成果を掲載した学術誌「待兼山論叢」(年刊)を刊行しています。
文学部では中学校、高等学校の教育職員免許(国語、社会、地理・歴史、公民、英語、ドイツ語、フランス語)や博物館学芸員資格を取得することができます。
教員、学芸員などその職業に就かなくても、資格の取得は能力の引き出しを増やし、進路選択時の大きな自己アピールになります。また、専門知識とノウハウを身につけていることを評価してもらうという実用面に加え、一つの資格を取るために学んだ経験は、長い人生においてさまざまな局面で生きてくることでしょう。