2004年度 第2回 日本学方法論の会
2004年度第1回「民俗芸術」研究会
蒐集という実践、想像される「郷土」
−民俗学における研究/趣味の臨界をめぐって:1920-30年代−
昨年度開催した「「民俗芸術」再考−「生活」と「芸術」の相克:1920−30年代−」(2003年度第4回日本学方法論の会)では、モダニズムの浸透・メディアの輻輳・戦時下における国家の前景化といった通奏低音を考慮しつつ、4つの分野(民俗芸術、民芸、考現学、農村演劇)の報告をおこない、それぞれの内実を、柳田民俗学との距離感とともに検討することを試みた。 今回は、前回の議論をふまえつつ、1920−30年代において、蒐集という実践をと もなう「郷土」への関心、及びそれを実現させていく条件について考えてみたい。焦点となるのは、伝説研究・郷土玩具研究である。語り・モノそれぞれにお ける問題の固有性に配慮しつつ、対話の地平をつむいでいくことにしよう。伝説 にせよ、玩具にせよ、それらの蒐集は当時における「旅」と不可分な実践であっ た。「郷土」への想像力は蒐集の旅といかなる関係をもっていたのか。また、民 俗(土俗)を分節し、趣味/研究の臨界面を了解させる力学はどのように駆動し ていったのか。民俗学確立期前後へのそのような問いは、口承・芸能・物質文化 といった対象レベルで、思想史的・実践史的関心が分断されてしまうことへの問題提起でもあるだろう。