シドニーのウィンヤド・パーク近くのジャミソン・ストリートにあった、オーストラリアン・カレッジは、1832年に正式に開校した。ただし、その前年には、仮の校舎ですでに授業が始まっている。オーストラリアのプレスビタリアン教会の設立者であり、代表者であった、聖職者ジョン・ダンモア・ラングが設立したカレッジは、当時としては優れたカリキュラムを準備していた。主にプレスビタリアンの聖職者が教え、その教会の聖職者となるよう指導した。

　ラングの植民地における活動の多くと同じように、カレッジは論争を呼んだ。ラングは植民地の教育がイギリス教会の統制下にある時に、プレスビタリアンの傾向を反映した学校を設立した。シドニー・カレッジの創設メンバーである一方で、ラングはイギリスの植民地大臣ゴダリッチから政府の経済援助を取りつけた。オーストラリアン・カレッジは波瀾のある歴史を持つ。1840年代には財政難から一時的にカレッジは閉鎖された。このカレッジの設立によって植民地でユニヴァーシティの礎を築くことが、ラングの元来の計画であった。しかし、1854年までにおよそ1,000人の生徒を送り出した後、カレッジは最終的に閉鎖された。

　藤川隆男0103