オーストラリア辞典
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Australian Country Party

オーストラリア地方党


 主に農村の利益を代表するオーストラリアの政党。歴史的に農村と地方の利害を強く主張し、第1次産業への補助金支出や交通手段の改善などを訴えてきた。農民たちは1890年代から植民地議会へ代表を送っていたが、1913年に西オーストラリアで初めて、農民団体である農場主及び入植者協会によって、地方党が結成された。第1次世界大戦から1920年にかけて、すべての州議会に地方党の代表が選出された。1919年の連邦議会の選挙では、すべての州で候補者が連邦議会議員に選出され、1920年には彼らによって全国的なオーストラリア地方党が成立した。連邦レベルでは、地方党は、国民党、統一オーストラリア党、自由党などの保守政党と連立を組み、政権に参加し、その政策の実現を目指した。州のレベルでは、クィーンズランドでは、1983年から89年にかけて単独で、ヴィクトリア州では、1930年代から1950年代にかけて断続的に、他党の協力を得て、政権を担当している。1974年にクィーンランドで名称が、国民党National Partyに変更されたのを契機に、各地の党も名称を変更し、1982年までにはすべての地域で国民党と呼ばれるようになった。ホーク労働党政権以降、その勢力はニューサウスウェールズ、ヴィクトリア、クィーンズランドに限られるようになってきており、自由党との合同による、党の解体さえ議論されるようになった。しかし、この危機を切りぬけた後は、自由党ハワード政権と連立を組み、政権の一翼を担っている。

 藤川隆男0603