Australian Security Intelligence Organization (ASIO)

　オーストラリアの国内防諜機関。1949年H.V.エヴァットの助言によりチフリー内閣によって創設された。反共政策を基本とするメンジーズ政権のもとで、その組織を拡大した。また、ペトロフ事件はメンジーズなどのASIOへの信頼感を強めた。1956年には法律が整備され、ASIOは国家の安全に関わる情報の収集のための権限を与えられた。しかし、その権限は法律の施行、逮捕、拘留等には及んでいなかった。ASIOはもっぱらスパイや反政府活動に対する安全政策が任務であるが、イギリスのMI5やアメリカのCIAのような他の連合国の防諜機関と協力関係を維持している。海外での諜報活動についてはASIOに匹敵するほど有名な機関ではないが、エイサスAustralian Secret Intelligence Service(ASIS)がある。また1970年にはJoint Intelligence Organisation(JIO)が創設され、1976年にはOffice of National Assessmentsが設立されている。またDefence Signals Directorateは電子情報のスパイ活動に特化した機関である。

　新村祐規・藤川隆男0503