オーストラリア辞典
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Ballina

バリナ


ニューサウスウェールズ北東部の町、シドニーの北753キロに位置する。
人口:16,056(1996)、9,738(1981)、6,141(1971)、2,441(1911)、359(1881)。


 地名はもともとアボリジナルに由来し、「牡蠣が多くとれる場所」を意味すると考えられるbullinaが語源とされているが定かではない。1868年アイルランドにある町の名にちなんでバリナに改名されたといわれる。もとはバンジャラングのアボリジナルの居住地であった。この地域に最初に入ったヨーロッパ人は、ヘンリー・ラウスHenry Rousである。ラウスは1828年にリッチモンド川を命名した。デトフォードDeptfordとしても知られていた1840年代、木こりが東バリナに足を踏み入れた。ニューサウスウェールズで最も古い製材所の1つが建設され、材木運搬船はショウズ湾で木材を積載した。1851年西バリナの開拓が始まり、1856年には官報に公示され、1883年には地方自治体となった。1860年代に砂浜で金が見つかり、1900年まで金の採掘が断続的に続いた。1856年郵便局が建てられ、1860年代初頭のサトウキビの導入の後、1865年には製糖工場が開かれた。木材が切り倒されたあとは、最初は穀物が植えられたが、この頃からサトウキビの栽培が急速に広まった。1881年には植民地製糖会社により大工場が開設された。この工場は1978年には協同組合の所有となる。1867年に裁判所が建てられ、1872年にはフェリー事業が始まった。1896年、防波堤と港への新たな入り口が大きく造り直され、1930年代まで工事が続いた。1930年鉄道が開通するが、1949年閉鎖される。砂鉱業が1934年始まり、1950年にはエビ漁が始まった。1960年代以後は海洋資源を利用した観光と退職者の生活の場として賑っている。マリンスポーツや釣などが盛んな、リッチモンド川流域の中心都市である。バリナに限らず北部ニューサウスウェールズの海岸地帯は美しい景色で知られており、しばらく腰を落ち着けて滞在してみたい場所である。町にはビッグ・プロウンと呼ばれる巨大なエビのランド・マークがあり、好奇心のある人には最適のスポットかもしれない。町の中心部にある裁判所は1867年の築で、特徴的な形をしており、おそらく町で最も美しい建物である。

 見国祐也・藤川隆男0403