オーストラリア辞典
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Bates, Daisy May 

ベイツ、デイジー・メイ


1863-1951
アイルランド生まれ。
女性の人類学者。


 アボリジナルとともに生活した人類学者。アボリジナルに対する福祉活動も行った。

 1863年にアイルランドのティペレリTipperaryに生まれ、ロンドンで育つ。1884年3月に移民としてオーストラリアに移住し、おそらくブレイカー・モラントと結婚するが、まもなく離婚した。その後、ニューサウスウェールズのベリーで家庭教師となり、牧畜業者ジャック・ベイツと再婚、翌年には息子を産んだ。しかし、彼女は1894年に家族を棄て単身ロンドンに渡り、数年間ジャーナリストとして活動した。

 1899年にオーストラリアに帰ると、夫の購入した西オーストラリアの牧場に入り、アボリジナルの生活についての記事を書こうと考えた。そこで、アボリジナルに同行して旅をし、彼らの生活や習慣についての記事を書き始めた。1904年に、西オーストラリア政府の任命で州のアボリジナルの調査に当たることになり、再び家族を棄て、パースに移住した。1910年には人類学者ラドクリフ・ブラウンの探検に同行した。61歳になる1920年には、大陸横断鉄道上にある南オーストラリアの砂漠の町ウールディーアOoldeaに移住し、アボリジナルの集落の近くにテントを張った。その後25年間そこに住み続け、変人というイメージも確立されていった。

 その後も彼女はアボリジナルについての記事を書き続け、1938年にはそれらの記事をまとめたThe Passing of the Aboriginesが出版された。彼女の記事の中には、興味深い観察が多くあったが、現在ではそれほど重要視されてはいない。最期は孤独な環境の中で、1951年にアデレイドで死亡した。

 新村祐規0501