オーストラリア辞典
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Baudin, Thomas Nicholas

ボーダン(ボウダン)、トマス・ニコラ


1754-1803
サン・ピエール・ドゥ・レ、フランス生まれ。
航海士、探検家。


 ボーダンは、商船の乗組員となった後に、1754年フランス海軍に入り、1786年に将校に昇進した。1792年にはインド洋、1796年には西インドへの学術調査隊を指揮した。この探検の功績が認められて、1800年、フランス政府からオーストラリアへの探検隊を率いる命令を受けた。この探検はフランスのオーストラリア海岸の測量と地理的調査を完成させるためのものであった。ボーダンの2隻の船、ル・ジオグラフ号とル・ナチュラリスト号とは、1801年から1803年にかけて、オーストラリアの南北の海岸を調査した。1801年5月27日、ボーダンはルーインに到着し、オーストラリア西海岸の測量を行い、ヴァンディーメンズランドのドントラキャストウ海峡の調査を済ませた後、ウィルソンズ岬から西に向かい、この地をナポレオン大陸Terre Napoleonと名づけた。1803年西進中にエンカウンター・ベイでフリンダーズと出会い、そこからシドニーに向かった。探検を終え、フランスに帰国する途中、ボーダンはモーリシャスで没した。彼の探検は基本的には科学的なものであったが、フランスによるオーストラリア植民を危惧するイギリスの不安をさらに大きくし、ヴァンディーメンズランド入植の契機となった。

 氏久智0501