オーストラリア辞典
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Cardwell

カードウェル


クィーンズランド北東部、ブリスベンの北約1,530キロに位置する。
人口:1,421(1996)、1,249(1981)、96(1871)。


 1864年に、総督ボウエンによって植民地大臣エドワード・カードウェルEdward Cardwellにちなんで名づけられた町。ヒンチンブルック島Hinchinbrookの真向かいの海岸沿いに位置している。白人による入植以前は先住民ワーガマイWarrgamay(Wargamaygan)の居住地であった。1863年にジョージ・ダルリンプルがカードウェルの地に向かって探検を行うが、海岸に到達することに失敗した。翌1864年にヨーロッパ人によって調査が行われ、植民された。ボウエンの北で発展した最初の港であった。その後、内陸へのアクセスが容易であったタウンズヴィルとの競争に敗れて衰退した。1872年に金の貿易によって勢力を取り戻すが、1874-75年以後はタウンズヴィルを介して金の輸出も行われるようになり、再び衰退した。1870年代にはヨーロッパ人とアボリジニナルの間に抗争が繰り返された。産業面では、1870年代に製糖産業が開始され、80年代になると材木産業が発展し、植民地北部で最大の製材工場が経営された。1892年に新しい桟橋が建設された。1895年には精肉工場が開設された。1920年代から1940年代に、林業が再び産業の中心となる。かんきつ類及びバナナなどの栽培も行われている。現在、海に突き出した長い桟橋では人々が釣りを楽しむ、静かな町である。桟橋のそばには観光局があり、地域の自然に関する展示物がある。ハイウェイの横に駐車したバンで売られているパイは、オーストラリア有数と評判が高い。観光も重要な産業となっている。

 遠藤貴弘・藤川隆男0503