バンジャラングのアボリジナルが居住していたが、19世紀半ばから白人による入植が進んだ。1840年に、リッチモンドRichmond川を越えてこの地に牧場を設立した、ヘンリー・クレイHenry Clayとジョージ・ステイプルトンGeorge Stapletonが、ヨーロッパ人として初めての入植者であった。彼らは牧場を、イタリアにある修道院で有名な都市カッシノにちなみ、カシーノウと名づけた。川の浅瀬のある付近に定住地が発達し、1855年に測量が行われ、町がカシーノウと名づけられた。1861年に公立学校が設立された。1870年代には銀行や新聞社、郵便局が開設された。1905年、鉄道も開通した。

　現在、この都市は牛肉や木材、乳製品の生産で知られている。「牛肉の都」とも呼ばれる。町を流れるリッチモンド川に架けられたアーヴィング橋の下には、野生のカモノハシが住み、夕方には運が良ければその姿を見ることができる。また川辺の公園では、昼食をとっていると、エリマキトカゲがエサをねだりに来る。

　藤川隆男0103