オーストラリア辞典
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Cessnock

セスノック


ニューサウスウェールズ中東部の都市、シドニーの北154キロ、ハンダー・ヴァリーに位置する。
人口:17,540(1996)、16,961(1981)、13,029(1947)、14,385(1933)、3,957(1911)、130(1881)。


 1826年に、キャンベル兄弟が入植し、スコットランドのエアシアにある城にちなんでセスノックと名づけた。この地域は、もとはアワバカルAwabakalのアボリジナルの居住地であった。1853年に、土地が区画され、村が建設された。1856年には、石炭が発見される。同年、セスノック・ホテルが開業された。この地に最初のブドウ園が開かれたのは、1866年である。1886年、エッジワース・デイヴィドの調査によって大規模な石炭層が発見され、この地域での炭鉱業の発達をもたらした。1889年、ホークスバリー川に最初の橋が建設される。1891年に、この地域で初の炭鉱、リッチモンド・ヴェイルRichard Valeが開かれた(1967年に閉鎖)。この地域の炭田(南メイトランド炭田)は世界的に見ても巨大であった。約1万人を雇用し、地域経済を支えていた。しかし、労働条件は劣悪であった。1908年に設立されたベルバード炭鉱では、1923年に爆発事故が起こり、27名の死亡者が出た。1929年の労働争議では、「ロスベリー暴動」Rothbury Riotにより、1名が死亡した。1954年から1961年の炭鉱業の沈滞によって、多くの失業者が出た。

 現在のセスノックは、オーストラリアのワイン生産の中心地の1つ、ハンター・ヴァリー南部の中核都市である。有名なティレルTyrrellsのワイナリーが生まれたのは1858年だが、ワイン生産が急成長したのは第2次世界大戦後である。1990年代までに多くのワイナリーが生まれ、観光客を引き寄せている。牛馬の繁殖や、木材の加工、酪農も盛んに行われている。1957年セスノックはシティとなり、1984年には大セスノックGreater Cessnock(周辺の都市、カリー・カリー・ウェストンなど20以上のタウンを含む)が生まれた。

 戸渡文子00