オーストラリア辞典
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Cobb and Co.

コブ・アンド・コウ


 この会社はゴールドラッシュの初めにメルボルンで設立され、オーストラリア最大の駅馬車会社となった。1853年にヴィクトリアに移住してきたアメリカ人で、合衆国のものと類似した駅馬車輸送システムを作り上げるのに貢献した人物、フリーマン・コブから会社名はとられた。カリフォルニアのゴールドラッシュ時に、合衆国を横断する人々の輸送から得られたのと同様の利益がオーストラリアにも見込めた。しかも、合衆国の駅馬車は困難な地形に適応し、イングランドのものよりオーストラリアに適していた。

 ゴールドラッシュ期の輸送ニーズの拡大期を迎え、コブ・アンド・コウはオーストラリア最大の、最も有名な駅馬車会社になった。会社の所有権はその歴史の中で数回移った。最も拡大した期間は、ジェームズ・ラザフォードの経営下の1860年代から1870年代の間である。1862年にニューサウスウェールズのバサーストが、会社の中心地となった。ブリスベンとチャールヴィルは後にクィーンズランドでの中心地となった。この3つの中心地には駅馬車工場があった。鉄道が植民地に普及するに従って、コブ・アンド・コウは鉄道に連結し拡大した。

 会社の成功は部分的にはその規模にあるが、その活動の多様さにもある。コブ・アンド・コウは郵便の契約の独占権も手に入れることに成功した。会社はオーストラリアの大部分に拡がったが、ヴィクトリアとニューサウスウェールズ、そして、最後の馬車が鉄道や自動車に取って代わられた1924年まで操業を続けたクィーンズランドがその中心であった。

 真水晃00