オーストラリア辞典
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Commonwealth Banking Corporation, Commonwealth Bank

コモンウェルス・バンキング・コーポレイション、コモンウェルス・バンク


 フィッシャー労働党政府は1911年、連邦銀行Commonwealth Bankを創設する法律を制定した。この銀行は「人民銀行」と呼ばれることもあった。連邦政府から出資を受ける預金・商業銀行であったが、あくまで民間の1銀行として存在した。預金銀行としての機能は1912年から始まった(オーストラリア連邦預金銀行the Commonwealth Savings Bank of Australiaは1927年に創立)。また、商業銀行としての機能は1913年から始まった(連邦商業銀行the Commonwealth Trading Bankは1953年に創立)。

 連邦銀行は1930年ころには中央銀行としての役割を実質的に担い始めた。1930年代の大恐慌によって政府が銀行を制御する必要性が議論されるようになり、1945年に制定法によって連邦銀行の権限は強化されたが、労働党政権による1947年の銀行国有化計画は失敗に終わった。1959年には、オーストラリア準備銀行およびコモンウェルス・バンキング・コーポレイションを創設する法案が可決された。オーストラリア準備銀行は中央銀行の機能を受け継いだ。また、コモンウェルス・バンキング・コーポレイションは、連邦預金銀行、連邦商業銀行、オーストラリア連邦開発銀行から構成され、1960年から活動を開始した。その後、さまざまな組織上の改編がおこなわれたが、1991年、コモンウェルス・バンキング・コーポレイションは民営化された。1993年には、会社の名称がオーストラリア連邦銀行the Commonwealth Bank of Australiaに変わった。

 坂本優一郎01