オーストラリア辞典
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Cooma

クーマ


ニューサウスウェールズ南東部、キャンベラから南に自動車で約2時間、シドニーの南西420キロに位置する。
人口:7,150(1996)、9,103(1966)、2,249(1947)、2,330(1911)、47(1851)。


 地名はアボリジナルに由来し、「広い土地」あるいは「大きな沼地」を意味する。白人の入植以前は先住民ナーリーゴウNgarigoの居住地であった。1823年にキャプテン・カリーによる探検ののち、この周辺地域、モナロウの入植は、1820年代末に始まるが、多くの牧場は1840年代に起源を持つ。1845年建築のクライスト教会は、モナロウの最古の教会である。1849年に町のレイアウトが行われ、翌年土地が売り出された。ロード・ラグラン・ホテルやロイアル・ホテルが1850年代に建てられた。カイアンドラで1859年に金が発見されると、ゴールドラッシュで町は発展した。1860年にシドニーへの電信が完成し、1861年には、現在のトラヴェラーズ・レスト・パイオニア・ミュージーアムが、ホテル兼コブ・アンド・コウの駅馬車宿として建てられた。1865年にはセント・ポール教会が建築された。1879年に自治体になり、郵便局が同年建築され、1887年には裁判所と監獄が建てられた。さらに1889年には鉄道が開通し、スノーウィー・マウンテンズへの観光開発につながった。1949年、スノーウィー・マウンテンズ水力発電開発計画の本部が置かれると、多数のヨーロッパ系移民労働者や技術者が移住し、町は繁栄したが、その終了とともに人口は減少に転じた。1981年市は郡に統合された。

 現在はスノーウィー・マウンテンズへの観光基地として、とりわけ冬のスキー・シーズンにはスキー場への入り口としてにぎわう。夏も乗馬やマス釣りなどが楽しめるので、観光客が絶えることはない。秋から春にかけては、雪に覆われたスノーウィー・マウンテンズの光景を楽しむことができる。

 藤川隆男0203