この都市の名前は、1882年にイギリスの植民地大臣を務めていたダービー卿にちなんで名づけられた。この地域は、以前はウォーワのアボリジナルの土地であった。1688年にウィリアム・ダンピアはこの地域のアボリジナルと接触を持った。1879年にアレクサンダー・フォレストによって奥地が探検された。1880年にマリー・スクオッティング会社が羊牧場を設置し、1885年にドュラック家Durackの人々がこの地域で最初に牧牛を始めた(Kings in Grass Castleでその様子は描写されている)。1882-85年にマクドナルド兄弟は、6,440キロ以上離れたニューサウスウェールズのゴールバーンから家畜をこの地域まで移動させたが、到着したのはわずかに30頭のみであった。1883年にタウンは測量され、正式に公示された。

　ホールズ・クリークHalls Creekの金鉱へ向かうためにフィッツロイ川をさか登る金鉱夫の宿泊地として1885年以降急速に栄えたが、11メートルにも達することのある干満差のために、重要な港には発展しなかった。1883年のクラカトア山の噴火による大津波は浜辺の船荷をさらい、大きな被害をもたらした。1890年代、ジャンダマラJandamarra、白人にはピジョンPigeonと呼ばれた、アボリジナルのヒーローが現れ、数年間にわたり白人入植者に激しく抵抗した話がこの地域で語り継がれている。

　1921年にパースへの最初の航空郵便と旅客のサーヴィスが始まった。1959年に輸出用の肉の加工処理工場がエアー・ビーフにより設立された。1966年に新しい屠殺場と防波堤が造られたが、その屠殺場は1980年に閉鎖された。現在、この地方は牛肉や原油、ダイアモンドの産地として知られている。

　新林秀亮・藤川隆男0303