1890年代の末、オーストラリア農業会社のグロスタ農園の名から名づけられる。グロスタはもとはイングランドの都市名である。1826年に政府の測量官として訪れたヘンリー・ダンガーが最初のヨーロッパ人である。それ以前はアボリジナルのカタングKattangあるいはBiripiの居住地であった。同年オーストラりア農業会社の主任代理人であったロバート・ドーソンがこの地に目をつけ、会社は多くの牧場を作り、羊を放牧したが、あまり成功をえることがなく、後に牛、馬の放牧を始めてかなりの成功をおさめた。ヘンリー・デューメリックがグロスタ・ギアロウGiro地域に牧場を拡大した。1830年代には多くの家族が、会社から借りた土地に、小農場を建設した。1830年代に建設された会社の辺境の牧場が町の中に今も残っている。

　1899年、もとオーストラリア農業会社の土地であった所にタウンが置かれた。町はマニング川の支流、グロスタ川の川辺に立つ。1872年に、西方のコウプランドCopelandで砂金の発見があり、1877年には採掘がはじまった。1890年には人口が約3,000人に達したが、1900年頃にブームは終わっていた。オーストラリア農業会社の所有地は1903年にグロスタ土地シンジケートに売却された。シンジケートは土地を区画、細分化し、売却した。1906年にグロスタ郡の最初の郡議会が開かれ、これと前後してバター工場、教会や裁判所などが建てられた。1913年に鉄道が開通している。現在、この地域は混合農業地帯で酪農が行われている。

　安井倫子00