オーストラリア辞典
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Heinze, Bernard Thomas

ハインズ、バーナード・トマス


1894-1982
シェパトン、ヴィクトリア生まれ。
音楽学者、オーケストラ指揮者。


 ヴィクトリアのシェパトン出身の音楽学者で指揮者。早くからヴァイオリニストとしての才能を示し、16歳の時にはメルボルン大学附属音楽院の公開演奏会で優勝している。同音楽院で学んだ後、ロンドン王立音楽大学に留学し(後には特別研究員となった)、またパリのスコラ・カントルムでは、ヴァンサン・ダンディ、ネストル・ルジェーヌ、ベルリンではヴィリー・ヘスに師事した。第1次世界大戦ではイギリス砲兵隊の一員として従軍した。 1924年にはメルボルン弦楽四重奏団を創設、1925年から1956年にはメルボルン音楽院の教授を務め、その後1956年から1966年にかけてはシドニーのニューサウスウェールズ音楽院の院長も務めた。 1920年代半ばにハインズは、メルボルン大学交響楽団の指揮者となり、1928年にはメルボルン・フィルハーモニック・ソサエティの終身指揮者になった。また1933年から1956年にはヴィクトリア交響楽団の指揮者となり、海外で客演指揮者として活動し、成功を収めた。 1925年にはオーストラリア放送協会ABCのユース・コンサートの前身である、「ヤング・ピープルズ・コンサート」の開始に大きな役割を果たした。1929年にはオーストラリア放送会社の、1934年にはオーストラリア放送協会のミュージカル・アドヴァイザーをそれぞれ務めた。彼はオーストラリアの聴衆たちにブルックナー、ショスタコーヴィチ、バルトーク、ウォルトンの曲を紹介し、また同時代のオーストラリアの作曲家たちの音楽の普及にも力を尽くした。こうしてオーケストラ・コンサートの活動の発展に大きく貢献したのである。1965年には音楽活動より引退した。1949年にはナイト位を受勲し、1974年にはオーストラリア・オヴ・ジ・イアーを受賞している。

 中村武司00