オーストラリア辞典
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Hope, Alec Derwent

ホープ(ホウプ)、アレック・ダーウェント


1907-2000
クーマ、ニューサウスウェールズ生まれ。
詩人


 ホープは詩人であり、その名前はオーストラリアだけでなく世界的に知られている。南ニューサウスウェールズのクーマで1907年生まれた。彼の父親は牧師であり、家族は父親の赴任地であるタスマニア島に移り住んだ。後にニューサウスウェールズに戻り、ホープはシドニーにあるフォート・ストリート・ボーイズ・ハイスクールで学び、シドニー大学の人文学科に進んだ。卒業後、オクスフォード大学で学位を取り、ニューサウスウェールズの教育省に勤めた。心理学者として労働産業省に勤務した後、1938年にシドニー師範学校で講師となり、次いでメルボルン大学の英文学科に異動し、最終的にはオーストラリア国立大学の教授となった。

 文芸雑誌に詩やその批評を寄稿しながら、1930年代後半から40年代にかけておこったthe Angry PenguinsやJindyworobaksには反対の姿勢をとっていた。伝統的な詩の在り方を重視し、詩の構成をていねいに作り上げることで、詩の内容の中心が際立ってくるのだという考えを持っていた。

 1955年にホープは最初の詩集であるThe Wandering Islandsを出版した。人間の孤独、苦しさを感じさせ、また言葉への深い洞察力と象徴主義的なものを感じ取れるその詩集により、ホープは自分自身の方法論というものを構築し、オーストラリアだけでなく世界にまでその名が知られるようになった。次に彼は人間存在の根本たるもの、創造、生死、愛をテーマにして作品を生み出した。その後も精力的に執筆を続け、1970年代には10以上もの出版物を残している。

 師井学00