オーストラリア辞典
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King Island

キング島、キング・アイランド


タスマニア島北西沖、バス海峡に位置する。
人口:1,989(1986)、2,592(1981)、2,778(1961)、766(1911)。


 島の名は、1801年にジョン・ブラック船長がニューサウスウェールズ総督キングにちなんで名づけたものである。

 この島は、1797年に、マーサ号のリード船長によって発見された。アザラシの猟場として急速に発展したが、アザラシやオットセイはすぐにこの島から姿を消した。アザラシ猟には、多くの誘拐されたアボリジナルの女性が用いられた。フランスによる島の領有を恐れたキング総督は、ロビンズ中尉を派遣し、1802年に公式に島の領有を宣言させた。ロビンズは、現在のナラクーパNaracoopaの近くの海岸において、フランスの艦長ボーダンの眼前にイギリス国旗のユニオン・ジャックを掲揚した。あまりにあわてていたために、その旗は上下反対であったと言われる。

 1830年代に土地の最初のリースが行われた。1855年には最初のヨーロッパ人の定住が始まったという記録がある。1845年にウィッカム岬に灯台が建設された。この島の海岸近くの海では、これまでに50隻以上の船が難破し、2,000人以上が死んでいる。1845年、カリーCurrie近くでのカタラキ号の遭難では、407人の命が失われた。1867年には、ウイッカム岬の灯台守が、難破船に乗り遭難者となった450人以上の移民たちの世話に当たった。1886年には島の大部分が入植のために開放された。1905年金とスズの採掘がはじまり、1911年にはシーライト(タングスラン鉱石)も発見された。シーライトはもともと露天掘りであったが、現在は、地下鉱である。グラッシーに地下鉱山と港が建設され、両大戦後復員兵による入植地が島内に作られた。1962年には飛行場が完成した。

 安井倫子・藤川隆男0103