オーストラリア辞典
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Leeton

リートン


ニューサウスウェールズ中南部、マランビジー川の北、シドニーの西565キロに位置する。
人口:6,615(1996)、5,154(1954)、2,793(1933)。


 マランビジー潅漑計画の生みの親、建設大臣チャールズ・アルフレッド・リーにちなんで名づけられた。かつては、先住民ウィラージューリーの居住地であった。この地域の入植は1830年代に始まり、1882年に鉄道が開通すると、リートンの南6キロに、ヤンコウの集落が生まれた。1900年にサミュエル・マカキーがノース・ヤンコウ牧場を購入し、大規模な灌漑事業を成功させると、政府はマランビジー川の灌漑計画の実施を決定した。リートンは、マランビジー潅漑地域で最も古い町で、ウォルター・バーリー・グリフィンによって1912年に設計された計画都市である。キャンベラと同じように放射状の都市構造を持つ。1928年に郡が作られるまで、水資源保護・潅漑委員会が運営する組織が、地方自治体を運営していた。1914年に缶詰工場が建設され、1935年には協同組合化された。1940年には、1日に419,609缶の桃の缶詰を作るという、帝国記録を打ち立てた。1922年に鉄道が開通すると、ヤンコウをしのいで急速に成長した。1928年には、米の栽培の研究機関が作られ、51年には精米所が開業した。

 リートンは、ニューサウスウェールズの穀倉、リヴェリーナの中心的な町の1つであり、日本人にとってはなじみの深い米と係わりの深い町である。サンライスのヴィジター・センターでは、オーストラリア産の米の味見などもできる。また、イタリア人の移民がこの地域の開発に大きく貢献した。リヴェリーナ地方は、オーストラリアの柑橘類の35%を生産し、オーストラリア第2のワイン用ブドウの生産地になっている。また米の生産量は120万トンに達する。町にはアール・デコ様式の建物が21あり、町の特徴になっている。

 藤川隆男0403