名前は北のビッグ・デザート(大砂漠)と比較して命名された。本当の砂漠ではないが、砂丘があり、年間降水量は時として300ミリメートル程度しかなく、ヨーロッパ式の農法が適さないことからこの名で呼ばれる。しかし半乾燥の生態系の例として価値のある地域である。植物は低木のユーカリ、ヒース、一般的なユーカリの木があり、この環境が多様な野生動物を育んでいる。

　トマス・ミッチェルはこの地に1836年に達した。1844年にはさらに奥地の探検が行われた。1955年には小規模なカイアタ・ロウアン保護区Kiata　Lowan　Sanctuaryが設けられた。1960年代にヴィクトリア州政府は、8万ヘクタールの土地を開発することを決定したが、これに抗議する大規模な環境保護運動が起こり、開発計画が放棄された。これはオーストラリアの環境保護運動にとっては最初の1つの大きな成果であり、後の政治にも影響を及ぼした。

　左近幸村・藤川隆男0403