オーストラリア辞典
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Moama

モウアマ


ニューサウスウェールズ中南部、シドニーの南西808キロ、マリー川を挟んでヴィクトリアのイチューカの対岸に位置する
人口:2,469(1996)、1,597(1981)、62(1947)、928(1901)、1,204(1881)、144(1861)。


 1842年に兵士が駐屯し、1843年にジェームズ・メイドゥンが牧場を作ったことに町は起源をもつ。かつてはヨタ・ヨタのアボリジナルの居住地であった。1845年、メイドゥンの渡しが設けられ、1851年に現在の名前(アボリジナルに由来、死を意味する)になるまで、メイドゥンズ・パントと呼ばれた。1848年、タウンの土地が確保され、郵便局が設置された。1851年タウンが公示された。ヴィクトリアのゴールドラッシュで植民地間交易が盛んになると、牛の市場などが誕生し、町は栄えるが、1856年ころから別の渡しを開設した対岸のイチューカが優勢になる。1867年の洪水で町は壊滅状態になり、より高い位置に町は移動した。1874年、町の北方にアボリジナルのためのマロガ・ミッションが設置され、1883年にはクメルガンガ・ステイションが開設された。しかし、アボリジナルが開墾した土地の多くは、ヨーロッパ人のものとなり、1953年にステイションは廃止された。現在、土地の一部はアボリジナルのコミュニティーに戻っている。1876年にデニリクウィンとの間で民営鉄道が開通した。1923年にはヴィクトリア政府がこれを買収し、イチューカと連結された。町は、1890年には自治体になり、1953年郡に統合されている。

 1911年にワトソン兄弟が灌漑を導入し、柑橘類の栽培を始めた。その後政府による大規模灌漑事業が始まり、周辺地域はそれを利用して多くの作物を栽培している。現在は静かなリゾートの町で、その静けさを破るのは、第2・第5土曜日のマーケットだけである。

 藤川隆男0403