オーストラリア辞典
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Moree

モーリー


ニューサウスウェールズ北東部、シドニーの北西665キロに位置する。
人口:9,270(1996)、10,459(1981)、6,795(1961)、3,161(1911)、295(1881)。


 地名はアボリジナルに由来し、「水の湧く場所」あるいは「泉」、「登る太陽」を意味する。白人の入植以前はカミラロイのアボリジナルが居住しており、現在も町にその多くが住んでいる。1827年から1828年にアラン・カニンガムが、1832年にはトマス・ミッチェルがこの地域を通過した。1840年代に入植が始まり、雑貨店やホテルが1850年代初めに開設された。1859年に測量が行われ、1862年に「モーリー」と公示された。稠密植民の始まりとともに、農業が発展し、1876年には銀行が営業を始めた。また新聞も出版されるようになった。1885年裁判所が建てられ、1890年自治体となった。1895年には鉱泉を掘り当て、リューマチ患者に広く利用された。1897年鉄道が開通し、タウンはますます発展した。1890年代から自噴井の水が農業に用いられるようになった。1910年と1955年に洪水があったが、1925年にはニューサウスウェールズの農村部で初めてベイビー・ヘルス・センターが造られるなど発展を続け、1928年の大火事の後にも中心地の大部分が復興された。1966年にはオーストラリアで初めてピーカンの商業用ナッツ農場がつくられ、1968年国内初の海外遠距離通信局が開設され、地域の中核としての地位を不動のものにした。ここには温泉井戸があり、現在約45℃の温泉が、約28万人の人々に供給されている。温泉は1957年に自噴井ではなくなったが、現在もポンプでくみ上げられている。またオーストラリア最大の綿作地帯の中心都市でもある。綿の栽培は1960年代から始まった。

 新村祐規・藤川隆男0403