オーストラリア辞典
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Mudgee

マジー


ニューサウスウェルズ中東部の都市、シドニーから北西へ約300キロに位置する。
人口:8,195(1996)、6,015(1981)、3,621(1911)、1,507(1861)、292(1851)。


 地名はアボリジナルに由来し、「山々の間の巣」あるいは「座っている」という意味だとされる。町はマクウォリー川の支流であるカジーゴングCudgegong川の岸に位置する。もとはウィラージューリーのアボリジナルの居住地域であった。マジー地域の入植は、1820年代にウィリアム・ローソンによって始められ、コックス兄弟がこれに続いた。入植者とウィラージューリーの人々の対立が激化し、ウィリアム・コックスらによって多くの先住民が殺された。1824年には戒厳令が敷かれて、先住民の抵抗は収束に向かった。1836年に村の測量が行われ、38年に公示された。

 1850年代のゴールドラッシュによって急速に発展、57年に聖メアリ・カトリック教会が建設され、58年にはクレイグモアぶどう園が開園、60年に自治体となり、同時に郵便局と警察所が建てられた。翌年には裁判所とメカニック・インスティテュートが建てられている。鉄道が開通したのは1884年である。1888年にバター工場、1965年には食肉処理場が建てられた。19世紀末に金の生産が衰退しても、豊かな後背地に支えられて、町は発展を続けた。1975年には郡に統合された。主な産業は羊毛とワインだが、灌漑によって他の作物も豊富に栽培されている。町には1860年代の建築物の多くが残り、ギャラリーなども点在している。郊外には多くのワイナリーがあり、ワインの試飲が楽しめる。

 松田真・藤川隆男0403