オーストラリアの社会主義者がパラグアイに創設した2つのユートピア的植民地の最初のものに与えられた名称。1890年と1891年の海運労働者によるストライキと羊毛刈り職人によるストライキが失敗した後、ニュー・オーストラリア協同植民協会New Australia Co-operative Settlement Associationが設立され、ウィリアム・レインに率いられた約200人の入植者が1893年7月16日、ロイヤル・タール号the Royal Tarでオーストラリアを出発した。1893年9月28日、入植者たちは、パラグアイ政府によってアスンシオンの南175キロにあるプエルト・デ・ラス・オヴェジャスに提供された土地に、ニュー・オーストラリアを設立した。もう1つの入植者のグループは1893年12月31日に到着した。1894年5月、レインと63名はその植民地を離れ、コスメCosmeに別の植民地を設立した。

　経済的・物理的困難、リーダーシップの欠如に加えて、男女の人数の不均衡がニュー・オーストラリアに終末をもたらした。パラグアイ政府との新たな合意が成り、1897年に植民地の資産は分割された。コスメもまた同じような問題に直面し、1929年その資産は分割された。ウィリアム・レインなどは帰国したが、植民者の子孫の中には20世紀後半までパラグアイに残った者もいた。

　真木朋子01