オーストラリア辞典
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Orange

オレンジ、オリンジ


ニューサウスウェールズ中東部、シドニーの西276キロに位置する。
人口:30,705(1996)、13,780(1947)、1,456(1871)、28(1851)。


 オレンジの名は、1833年にトマス・ミッチェルによって、オランダのオレンジ公ウィリアム(後のイギリス国王ウィリアム3世)を記念して命名されたという由来をもつ。それより少し早く、1817年から1818年にかけて、ジョン・オクスリーがこの地を調査している。「オレンジ村」は1846年に計画され、1851年に近くのオウファで金が発見されたため、その後、急速に発展した。1877年には鉄道が開通し、また、1860年代から大規模牧場の分割がおこなわれたこともあって、さらに町は成長した。1860年に自治体、1885年にタウン、1946年にシティとなった。1972年には、連邦政府と州政府の双方から、バサースト=オレンジは「成長センター」と宣言され、バサースト=オレンジ開発公社が創設されたが、軌道には乗っていない。それ以降もシティは成長している。バンジョー・パターソンの生地として知られる。

 統計上のオレンジの地域は、シティのみを指す。もとはウィラージューリーWiradjuriアボリジナルの土地であった。なだらかな起伏の光景が広がり、地質は豊かな火山性の土壌である。その土地はおもに果樹栽培に利用され、リンゴ、西洋ナシ、チェリー、石菓、ブドウなどオレンジ以外の果樹が大量に栽培されている。野菜も栽培され、その他、牛肉、子羊肉、豚肉も生産されている。最も重要な第2次産業は電気器具の製造であるが、繊維、プラスチック、煉瓦なども生産されている。グレイト・ディヴァイディング・レインジ中西部の行政、商業、教育の中心地であり、シティ内には、ニューイングランド大学のキャンパスの1つがある。

 坂本優一郎・藤川隆男0103