オーストラリア辞典
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Otway Range

オトウェイ山地、オトウェイ・レインジ


 ジロングの南西に位置する山岳地帯。600メートルを超える山もあり、南端にはオトウェイ岬Cape Otwayがある。もとはレディ・ネルソン号の船長ジェームズ・グラントがキャプテン・ウィリアム・アルバニー・オトウェイを称えて、オトウェイ岬と命名したのが始まりだが、後に周りの山岳地帯もその名で呼ばれるようになった。白人の入植以前には、ワタワルング、Gulidjan、Gadubanudのアボリジナルの居住地であった。

 1839年から1840年頃に大規模牧畜業者が植民を始め、1848年頃から材木が切り出されるようになった。1880年代になると土地を小規模自作農に明け渡すように圧力がかけられていった。しかし、自作農民も依然として林業に依存する状態が続いた。その結果、森林資源が枯渇すると、自作農も土地を放棄する傾向が強かった。輸送手段や学校、その他のサービスが欠如していたことで、この地域の農民は苦労することも多かった。ピーク時には150の製材工場があった。鉄道は1891年までにフォレストの町まで開通した。しかし、1950年代に鉄道は廃線となり、多くの牧場も衰退していった。1978年にオトウェイ国立公園に指定され、美しい海岸線、シダの谷、ユーカリの森などの特徴を持つ公園となっている。1983年には深刻な山火事が起こっている(灰の水曜日)。

 新村祐規・藤川隆男0503