ハワイのオアフ島に位置する真珠湾は、太平洋におけるアメリカ海軍の中心港である。1941年12月7日朝、日本軍は真珠湾を空襲すると、すぐさまアメリカも日本へ宣戦布告した。空襲時、真珠湾には戦艦8隻を含む90隻もの艦船が停泊していた。アメリカの死者は一般市民78人を含む2,400人、負傷者は1,200人近くに上った。戦艦の半数が沈没し、120機の航空機が破壊された。

　アメリカ攻撃という日本の決定は12月1日に行われたが、その後も日米両国間では、アジア、太平洋に対する日本の主張をめぐって交渉が続けられていた。真珠湾攻撃によるアメリカ軍の大きな損失は、日本が戦争のイニシアティヴを取って、太平洋に進出するにあたり優位を与えた。日本軍の戦略は、真珠湾が日本軍への空襲の拠点として使われることを妨げることにあった。

　オーストラリアもアメリカに従って日本に宣戦布告し、12月中には日本との外交関係を断絶した。

　中村武司01