オーストラリア辞典
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Playford, Thomas

プレイフォド、トマス


1896-1981
ノートン・シュミットNorton Summit、南オーストラリア生まれ。
南オーストラリア首相(1938-1965)。


 オーストラリアで最も長期の政権を維持した首相であり、一般に南オーストラリアで最も偉大な首相であるとみなされてきた。公立学校に通った後、果樹の栽培に従事した。第1次世界大戦において、オーストラリア帝国軍とともにガリポリとフランスに派遣された。プレイフォドは1933年から1968年まで自由・地方党連盟に属する南オーストラリア下院議員であった。1938年の3月に、公有地担当大臣としてリチャード・バトラーの内閣に入閣した。1938年11月にバトラーの辞任でプレイフォドは首相になり、1965年の3月までその地位にあった。大恐慌後に、南オーストラリアの農業に依存した経済を、有力な工業セクターを持つ活力ある経済へと転換した。マリー川の水資源開発、自動車産業の誘致、石炭開発など多くの事業を手がけた。また低賃金労働者に対する住宅供給を発展させたことも評価されている。彼の在任中の南オーストラリアの発展は著しかったが、戦争による軍需産業への投資と戦後の好況が、このような発展の前提条件になっていた。1965年に労働党に敗れ下野したが、引退するまで野党の指導者にとどまった。

 西川俊紀1101