南オーストラリアの副総督であったヘンリー・フォックスが、当時バーミューダの総督であったチャールズ・エリオットの名を取って1850年にポート・エリオットと名づけた。白人入植以前は先住民ナリンジェリーNgarrindjeriの居住地であった。1829年にはスタート、1837年にはライトがこの地域を探検し、マリー川の水運の可能性が探られた。ポート・エリオットは、グールワを経由し、マリー川で運ばれた荷物を輸出する港として計画された。1852年に測量が行われ、54年にタウンとして公示された。また51年に港として公認された。1852年にポート・エリオット・ホテルと桟橋が完成し、翌年には警察署が建てられた。1854年にはオーストラリアで初の馬が引く路面鉄道がグールワとの間で建設された。しかし、10年目に72隻の船が難破し、オーストラリアのニューオリンズとなる夢を絶たれた。1864年にはヴィクター・ハーバーとの間に鉄道が開通し、物資はヴィクター・ハーバーから積み出されることになった。

　今日では、ヴィクター・ハーバーとひと続きのリゾート地となっている。

　氏久智・藤川隆男0403